あまりに同性愛的な関係性?!エヴァ幻の24話ではシンジがカヲルに告白し、裸体で海を泳ぎ、キスまでしていた

 

シンジの初恋相手はカヲルだった!!!!!

あまりに同性愛的な関係性?!エヴァ幻の24話ではシンジがカヲルに告白し、裸体で海を泳ぎ、キスまでしていた

・今更ながらエヴァンゲリオンを全部見てみた

エヴァンゲリオンは1995年〜1996年にかけて放送されたテレビアニメだ。社会現象になるほどの人気だったというが、その時代ぼくの周りではエヴァンゲリオンを話題にしていた人を一切見かけたことがないのは印象的な思い出だ。本当に社会現象になったのだろうか、疑わしい。それとも自分がわからない話題だから意識がスルーしてしまっていただけだろうか。

2021年の今になって1990年代感あふれるエヴァンゲリオンのアニメを全26話を2日間で見終わった。それはとても一言では言い表せないくらい混沌とした感動的なアニメだった!最初はロボット対戦アニメだからつまんなそうだと思いながらも我慢して見続け、次第に哲学的・精神的な世界へと没頭していき、最終的にはなんだか世界全体が全ての境界線を取っ払うという禅の悟りのような境地に達するが、主人公は再び境界線や他人や苦しみのある世界を選択し戻ってくるという話だった。

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しかしやはり根本的には「ロボット対戦アニメ」なので思春期男子や少年的な心を持っている人をターゲットにしているのか、思春期男子が心から喜びそうなシーンが随所に散りばめられていた。具体的にいえば女の子の裸を見ちゃったり、触っちゃったり、一緒に寝ちゃったりというような典型的なエッチなシーンが多用されていた。巨大ロボットが街中で大暴れして敵をバコバコ倒したり、女の子の裸がいっぱい見られたりして、エヴァンゲリオンには思春期男子が喜びそうなシーンが満載だったが、唯一思春期男子が全く喜ばなさそうなシーンがあって印象的だった。それが突如意味不明に登場する碇シンジと渚カヲルのボーイズラブ(BL)的なシーンである。

 

 

・渚カヲルの出番は意外と少ない

渚カヲルはテレビアニメでは第24話「最後のシ者」にしか登場せず、意外とすぐに消えてしまった。またその続きである旧劇場版「THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に」でも巨人として一瞬だけ登場した。漫画では9巻〜11巻とアニメよりは長めに登場する。しかしその登場シーンの短さとは反比例して、その異質な存在感は見る者の心を惹きつけた。

エヴァンゲリオンは主人公の碇シンジたちがエヴァンゲリオンという人造人間に乗って、次々に襲ってくる使徒という敵キャラを倒していくという物語だった。シンジたちは順調に使徒を倒していき、あと最後の1匹というところで渚カヲルがエヴァンゲリオンの新しいパイロットとして突如登場した。しかしその正体は意外で、なんと彼こそが最後の使徒だったのだ!

今までの使徒といえば巨大で変な形をしており、いかにも化け物のようであり、一瞬で敵キャラだと判別されるものばかりだったが、最後の使徒だけは渚カヲルという人間の形をとっており、シンジと心の交流を交わした後で最終決戦へと踏み込むのだった。この心の交流という部分が、謎にBL的な展開で興味深かった。

 

・アニメ版におけるシンジとカヲルのBL的な関係性

渚カヲルに出会った頃、碇シンジは大切な仲間をほぼ全て失った状態にあり、喪失感に苛まれていた。そんな時に渚カヲルに出会い、シンジの心が次第に満たされていくというのがテレビアニメの内容だった。シンジが生きることに苦しんだり悲しんだりもがいたりしているのに対し、カヲルは常に冷静で達観した心の姿勢でシンジと対話していた。カヲルがシンジにかける優しい言葉や不思議な行動の数々は、一般的な感性からすると明らかな好意に満ちあふれている。

第24話「最後のシ者」ではなぜかカヲルがシンジと一緒にお風呂に入りたがり、仲良く並んでお風呂に入る。お風呂のお湯の中でカヲルがシンジに手を重ね、哲学的な言葉を流れるように説き続ける。

「他人を知らなければ裏切られることも、互いに傷つくこともない。でも寂しさを忘れることもないよ。人間は寂しさを永久になくすことはできない。人はひとりだからね。ただ忘れることができるから人は生きていけるのさ」

「ぼくが君と寝るの?」

「常に人間は心に痛みを感じている。心が痛がりだから生きるのが辛いと感じる。硝子のように繊細だね、特に君の心は」

「好意に値するよ、好きってことさ」

とカヲルはいきなりシンジに告白して場面は切り替わる。シンジも顔を真っ赤にしてまんざらでもない様子だ。英訳ではこの”好き”という日本語は、likeではなくはっきりと”I love you”と記されている。

さらに場面はカヲルの部屋に移り、なぜか2人で並んで寝ている。シンジが自分のことを素直にカヲルに話せることに気づき、カヲルの方を向くとカヲルはじっとシンジを見つめてこう呟く。

「ぼくは君に会うために生まれてきたのかもしれない」

しかしこのような2人の深い心の交流を描けば描くほど、シンジがカヲルが敵であり倒すべき使徒だと気付いた時のショックは計り知れないものとなった。

「嘘だ嘘だ嘘だ!カヲルくんが使徒だったなんて、そんなの嘘だ!」

「裏切ったな!ぼくの気持ちを裏切ったな!父さんと同じに裏切ったんだ!」

シンジとカヲルの対決のシーンでは、シンジは信頼し心を許していたカヲルに裏切られたことに怒り、混乱し、狼狽する。しかしカヲルは最後の最後でシンジの手によって殺されることを望む。

「生と死は等価値なんだ、ぼくにとってはね。自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ。さぁ、ぼくを消してくれ。そうしなけば君らが消えることになる。滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体はひとつしか選ばれないんだ。そして君は死すべき存在ではない。君たちには未来が必要だ。ありがとう、君に会えて嬉しかったよ」

という言葉を遺言として、カヲルはシンジの乗ったエヴァンゲリオンの手によって滅ぼされ、首が落ちる。シンジはカヲルを殺さざるを得なかった運命をを後悔し、ミサトに呟く。

「カヲル君が好きだって言ってくれたんだ、ぼくのこと」

「初めて、初めて人から好きだって言われたんだ」

「ぼくに似てたんだ」

「好きだったんだ」

「生き残るならカヲル君の方だったんだ」

「ぼくなんかより、ずっと彼の方がいい人だったのに、カヲル君が生き残るべきだったんだ」

否定され続けてきた人生の中で、シンジは初めて人から好きだと言われたこと、そして自分もカヲルのことを好きだったということをミサトに告白したのだった。ちなみにこの部分も英訳ではlikeではなく”I loved him”となっていた。シンジとカヲルが確かに愛し合っていたことが示唆されている。

 

・エヴァ幻の24話第1稿ではシンジとカヲルが裸で海に入り、シンジはカヲルに愛を告白していた

このように思いがけないBL的展開の第24話だったが、実はこのストーリーは第3稿目だという。なんとこの前に2つのストーリーの案があったが、あまりに同性愛的要素が強すぎるのでボツになったというのだ!その幻の第24話の原稿の内容は、以前JUNEという雑誌に掲載されたことがあるようだ。

その内容からは普通では知ることができないエヴァンゲリオンにおける数々の面白い側面を発見することができて興味深い。第24話のボツになった第1稿の冒頭はシンジとリツコのこんな会話から始まる。

○第3新東京市郊外・駅前のロータリー(午後)

一台の車が止まっていて、リツコとシンジが列車の到着を待っている。
リツコ、くわえた煙草に火をつけようとするが、折からの風でうまくいかない。
シンジの掌が自然に伸び、風を避ける。

リツコ: 「ありがとう。(と煙草を吸い)シンジ君って、いつも誰かに気を使っているのね。家に帰っても気の休まる暇、ないんじゃない?」

シンジ: 「そんなことないですよ。それに、最近は3人が揃うこと、少ないですから。ミサトさんはずっと忙しいし、アスカはテストの居残りで、夜遅くまで帰らないし」

リツコ: 「家庭崩壊の種を蒔いているのは、どうやら私のようね」

シンジ: 「しょうがないですよ。仕事なんだから。ただ、ちょっと気になるんです。ミサトさんのお酒の量が増えたみたいで」

リツコ: 「——シンジ君は誰かに恋したこと、ある?」

シンジ: 「まだないですよ・・・・・・」

リツコ: 「ミサトの心の中では、加持君は身体の一部になっていたの。彼がいなくなってから、ミサトは初めてそれに気づいたのね。でも時に切ない気持ちがあふれ出して、どうしようもない事があるわ。そんな夜はチョッピリお酒の力を借りるわけ」

駅のホームに特別列車が滑り込んでくる。

シンジ: 「人を好きになれば、そうゆうことがわかるようになるんですか」

リツコ: 「わかる大人になることね。——さ。フィフスチルドレンのお出ましよ」

停車していた特別列車が発車する。
ホームに可愛らしい紺色の水兵服を着た一人の少年が残される。(渚カヲル)
陽炎の中に立つカヲル。
蜜色の豊かな髪が西日の逆光を受け、キラキラ輝いている。
その神々しい美しさに思わず見とれてしまうシンジ。
カヲルと視線が合うシンジ。どきっ、とする。

この場面ではシンジがまだ誰も好きになったことがない、恋をしたことがないことが示唆されている。さらに物語は進み、なんとシンジとカヲルが共に裸になって体を絡ませながら海に入るというシーンへと突入する。これはあまりに生々しいので、放送では一緒にお風呂に入り手を繋ぐというシーンに書き換えられたといったところだろうか。

○旧市街(小田原あたり)

15年前に水没した街並み。
海の中から突き出したビルの廃墟が林立している。
防波堤の上からそれを眺めているシンジとカヲル。

カヲル: 「『死の都』の舞台・ブリュージュのようだ。美しくて、寂しくて」

シンジ: 「何なの、それは」

カヲル: 「若くして死んだ奥さんを忘れられずに、死の都の家に閉じこもってしまったという男の物語だよ。男は部屋の一つを『ありし人の教会』と呼んで、思い出がつまった亡き妻の持ち物を大切に保管している。だが、妻と瓜二つの踊り子が現れ、心をかき乱された男は、生と死が別のものであることを悟り、最後は死の都から出て行く決心をするという話さ」

シンジ: 「ふうん・・・・・・」

カヲル: 「ねえ、泳がない?」

シンジ: 「泳ぐって、ここで?」

カヲル: 「うん」

シンジ: 「水着、持って着てないよ」

カヲル: 「裸で泳げばいいさ。他に誰もいないのだから」

シンジ: 「でも・・・・・・」

カヲル: 「何を恥ずかしがってるの。男同士だろ」

シンジ: 「そうだけど・・・・・・」

カヲル: 「行こうよ」

と水兵服を脱ぎながら、水辺へと進んでいく。

シンジも後について行きながら、服のボタンを外す。

 

○海

ビルの谷間の浅瀬を、一糸纏わぬ姿で入っていくカヲル。

少し遅れてシンジ。

水面のきらめきの中にカヲルのなよやかな肢体が浮かび上がる。

その姿に思わず見とれてしまうシンジ。

カヲルはどんどん沖へと進んでいくが、シンジはついて行けずに、立ち止まってしまう。

カヲル: 「(振り返り)こっちへおいでよ」

シンジ: 「ここから先はダメだよ・・・・・・。僕、泳げないんだ・・・・・・」

カヲル: 「大丈夫。僕につかまればいい」

カヲルに吸い寄せられるようにして、シンジは深みへと入る。
だが、カヲルは手を引っ込めてしまい、シンジは溺れそうになる。
シンジを抱き寄せるカヲル。
しがみつくシンジ。

カヲル: 「ははは、本当に泳げないんだね」

シンジ: 「意地悪。信じていたのに・・・・・・」

不意に涙を流すと、シンジはカヲルの肩に顔を埋め、訳もなく嗚咽する。

 

○ビルの廃墟・一室(日没後)

水平線に消えた夕日が、空を緑色に染めている。
服を着ながら、それを眺めているシンジとカヲル。

カヲル: 「すごい・・・・・・緑色の夕焼けだ」

シンジ: 「きれいだね」

シンジ、水兵服の腕のボタンをはめるカヲルの手首に幾筋もの傷が入っているのに気づく。

カヲル: 「ねえ、さっきは、何で泣いたりしたの? 海が怖かったの?」

シンジ: 「わからない・・・・・・。僕、自分で自分がわからないんだ。あの海に沈んで、死んでしまいたいって思った」

カヲル: 「どうして・・・・・・?」

シンジ: 「確かに僕は君を避けていた。カヲル君に比べると、僕なんてみじめでつまらない人間なんだろう・・・・・・君のそばにいると気が狂ってしまいそうで、そのくせ姿が見えないときには・・・・・・不安で不安で・・・・・・。そうゆういじましい自分と一生つきあっていかなきゃならないと思うと・・・・・・僕はもう、死んでしまいたい・・・・・・」

空はすっかり翳り、二人の姿は完全なシルエットになる。

シンジ: 「もう、顔も見えなくなっちゃった・・・・・・。カヲル君、僕は君のことが・・・・・・」

カヲル: 「(遮り)ごめん・・・・・・そうゆうのイヤなんだ」

シンジ: 「——」

カヲル: 「別々に帰ろ。これ以上、傷つけたくないから」

一人,去って行くカヲル。
シンジ、絶望の淵に立たされる。

さらに第1稿ではなんとシンジがカヲルに愛の告白をし、断られてしまうという切ないシーンがあったようだ。実際に放送された第24話ではカヲルがシンジに好きだと告白したので逆パターンだと言える。第1稿の冒頭ではシンジが初恋はまだだと言っていたのに、この時点ではカヲルに愛の告白しているので、シンジの初恋相手は綾波レイでもアスカでもなく、カヲルだったということになる。

 

 

・幻の24話の第2稿ではシンジとカヲルは純粋にキスしていた

また幻の24話の第2稿では、シンジとカヲルが自然とキスするシーンまである。

○同・大浴場

浴槽につかっているシンジ。

戸の開閉音。

湯煙の中にカヲルのなよやかな肢体が浮かび上がる。

カヲル: 「いつも先に行っちゃうんだね」

シンジ、カヲルの裸体から目を離す。

カヲル: 「僕のことを避けているのかな」

シンジ: 「避けてなんかないよ」

カヲル: 「嘘だ、避けてる」

シンジ: 「フィフス・チルドレンなら、そうと言ってくれたらいいのに」

カヲル: 「それはこっちのセリフだよ。君がサードだなんて知らなかった。——そのことを怒ってるのかな」

シンジ: 「そうゆうわけじゃないけど」

カヲル: 「いつもそうなの? 何かギスギスしている」

シンジ: 「ギスギス?」

カヲル: 「葛城3佐にしても、君にしても」

シンジ: 「いろいろあったんだ。君の来る前に。加持さんのこととか、綾波のこととか・・・・・・」

カヲル: 「ファーストがどうかしたの?」

シンジ: 「ううん・・・・・・何でもない」

カヲル: 「言えよ」

シンジ: 「言いたくない」

カヲル: 「守秘義務ってやつか」

シンジ: 「・・・・・・」

カヲルも湯の中に入る。

カヲル: 「でも、それだと臆病になっちゃうね。人と触れ合うことが」

シンジ: 「もともと僕はそうだから。他人を知らなければ、裏切られることも、互いに傷つくこともないもの」

カヲル: 「それって、寂しくない?」

シンジ: 「仕方ないさ。そうゆうふうに生まれついたんだ。自分を変えることはできないよ。僕だって、そんな自分が嫌で嫌でたまらないんだ。本当は叫び声を上げて、自分から逃げ出したいんだ」

カヲル、シンジの左の掌を取り、じっと見る。
シンジはカヲルの手首に幾筋もの傷が残っているのに気づき、ドキッとなる。

カヲル: 「そのくせ、逃げちゃだめだと自分で言い聞かせてるんだね」

シンジ: 「死んで別の人間に生まれ変われるなら、死んだっていいとも思っている」

カヲル: 「それはどうかな。君は何よりも自分を一番大切にしている人だから」

シンジ: 「・・・・・・」

カヲル: 「(唐突に)手、見せて」

シンジ: 「え・・・・・・?」

カヲル: 「左手」

カヲルに握られた左手。
触れ合う肌と肌・・・・・・。
どくん、どくん、とシンジの心臓の鼓動が激しくなる。

カヲル: 「指先の皮が固くなってる」

シンジ: 「チェロの弦のせいだよ」

カヲル: 「チェロ?」

シンジ: 「少し、弾いてるんだ」

カヲル: 「それは素敵だ」

シンジ: 「ごめん・・・・・・僕、もう上がるから・・・・・・」

と、カヲルの手を解き、浴槽を出る。

さらに高鳴るシンジの胸の鼓動。
ふらつく足元。
シンジ、スーッと気が遠くなっていく。

(Wipe Out)

○ネルフ本部・居住地域・シンジの個室

シンジは自分のベッドに横たわっているのに気づく。
カヲルがシンジを見下ろしている。

カヲル: 「気がついた?」

シンジ: 「・・・・・・」

カヲル: 「のぼせちゃったんだね。倒れた時はびっくりしたよ」

シンジ: 「ごめん・・・・・・厄介をかけちゃって」

カヲル: 「疲れてるんだね。きっと。いろいろあったろうから」

シンジ: 「うん。いろいろなことがあった・・・・・・」

カヲル、部屋の片隅においてあるチェロに気づく。

カヲル: 「これ、君の?」

シンジ: 「うん」

カヲル: 「いいチェロだ」

シンジ: 「母さんの形見なんだ」

カヲル: 「そうだ。一緒に音楽をやろうよ。君がチェロで、僕がピアノで。きっと気持ちが和らぐよ。こんな地下基地に籠りっぱなしで、エヴァのテストばかりじゃ息がつまってしまう」

シンジ: 「でも、僕のチェロは君のピアノほどうまくないから、恥ずかしいよ」

カヲル: 「気晴らしにやるんだからさ。それに、もう恥ずかしいことなんかないはずだよ」

シンジ、自分の醜態を思い出し、青白かった顔が再び赤みを帯びる。

カヲル: 「ここにもピアノはあるんだろ?」

シンジ: 「たしかラウンジにあったはずだよ」

カヲル: 「明日は弐号機の起動試験がある。それが終わったら一緒にやろう。約束だよ」

シンジ: 「うん」

カヲル: 「じゃ、僕はそろそろ」

シンジ: 「おやすみ」

カヲル: 「おやすみ——」    カヲルの顔がスーッとシンジの顔に近づく。
カヲル、シンジと口づけを交わす。
シンジ、拒むことなく、自然に受け入れる自分に気づく。
妙に冷静な気持ちになって、天井の明りを見ている。

漫画版のエヴァンゲリオンでもシンジとカヲルがキスするシーンがあったが、これはあくまでも過呼吸の治療のためという名目があったのに対し、こちらの幻の第2稿では理由もなくただお互いに惹かれ合うという純粋な様子が見て取れる。

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結局放送された第24話では幻の原稿のように、シンジからカヲルに対する真剣な愛の告白も、裸で海を泳ぐシーンも、キスシーンもなくなってしまったが、それでも2人の間に通底している確かな同性愛的感性は、公式としても現在に至るまで受け継がれているように感じられる。

 

 

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