長男長女

 

 

お母さんとお父さんとぼくと
3人だけがいちばん幸せだったんだ
それなのに突然 見知らぬ生き物がやって来て
すべてを打ち砕かれた気がした

ぼくだけを見て
ぼくだけを愛してくれたお母さん
どこへ行ったの
もうぼくにふりむきもしない

ぼくとだけ遊んで
ぼくだけだっこしてくれたお父さん
どこへ消えたの
ぼくでない誰かに夢中になって

ねぇもういちど
3人だけの世界へ戻ろうよ
後からやってきたそんな生き物は
ここに置き去りにして

時を巻き戻せないことを
まだ知らないぼくだから
目を閉じれば悪い夢がきっと
立ち去って元通りになると信じていた

幼な子の祈りは天空へと舞い上がり
銀河の果てに凍りついた
泣き疲れてすべてを忘れた少年は
祈りを忘れて大人になった

神様はいるのかもしれない
切なる願いは時を越え
祈ることを忘れた少年に
現実となってふりそそぐ

やっとぼくの祈りが届いたんだね
祈ることを忘れてしまったふりをして
本当は一瞬たりとも絶やさずに
泣きながら人生を生きたのかもしれない

3人だけの世界が戻ってきたね
ぼくとお父さんとお母さんと
もう誰にも邪魔されないね
ぼくだけを見て笑ってくれるね

 

 

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