雨崩の再会
今日はあなたに夢の中で会えた あなたは変わらない笑顔をぼくに与えた 夢の中でゆるし合えたふたりだから もう肉体は会う必要がないのかもしれないね あなたと巡り会ったのは神聖な鳥居の前だった 背後…
今日はあなたに夢の中で会えた あなたは変わらない笑顔をぼくに与えた 夢の中でゆるし合えたふたりだから もう肉体は会う必要がないのかもしれないね あなたと巡り会ったのは神聖な鳥居の前だった 背後…
ぼくたちは自らの悲しみの色を知らない ぼくたちは自らの悲しみの音を聞かない ぼくたちは自らの悲しみの正体に気づかない なぜぼくはこんなにも泣いているのだろう 遠い昔に傷ついた少年を置き去りにして 時の流れは…
もう一度会いたいとぼくは言えない どうでもいい人になら言えること いちばん言いたいあなたには言えない 言葉はなんのためにあるのだろう 深く傷つけ合う運命だったから もう会わないことでしか生きら…
なぜ喪失に苛まれるのだろう 生まれたときにはあなたなんか知らなかった ずっとあなたを知らずに生きてきた それなのに今 ぼくは欠乏している あなたなしでは生きられなかった けれど運命がふたりを引…
あなたへと向かう性欲と発情は 燃えるような肉体の直感 どんなに解き放ってもすぐ舞い戻ってくる 少年の悩ましい輪廻は快楽と喪失の衝動 いつまでもあなたを忘れられない思いは これ以上にない魂の直感…
心が迷妄の中にいたとき ここじゃない場所に救いがあるのだと 暗闇の中でことごとく傷つきながらも 他人の創造物だけをまさぐり続けた 自らの運命に苛まれ 自らの魂が滅んだとき 自分ではない国に活路…
あなたの果実は熱かった あなたの果実は震えていた あなたの果実は潤っていた そしてそれは ぼくも同じだった 異なる肉体なのに同じであることが不思議だった 離れ離れなのに通じていることが嬉しかっ…
ぼくはぼくを護り抜くことを 絶対に諦めたりしない どんなに季節が移り変わっても ぼくを慈しむぼくは消えない それでもやがていつの日にか ぼくはぼくに別れを告げる定め 避けることのできない別れの…
いつまでも忘れられない人 消えない思いは時とともに やがて薄らぐと信じていたけれど 何ひとつ変わらずにこの胸を支配する あなたは時を抜け出した人 あらゆるものは絶え間なく移ろい 姿を変えて 形…
生まれたばかりの赤子が 誰に教えられることもなく あらゆる力で母の乳を求め 明日を生き延びられるように 青い液体を育み出した少年たちが 誰に止められようとも やがて女の肉体に夢中となり 濡れた…