この人生で好きな人に好きだと言ってもらえるなんて、思いもよらなかったよ。
両思いに!大好きなノンケの親友に告白したら毎日「好きだよ」と抱きしめてくれるようになった
目次
・ぼくは初恋で、好きな人には好きと言われない自らの一生を悟った
高校2年生の時、ぼくの初恋は訪れた。相手は同級生の男の子だった。もちろん彼は女の子が好きだった。ゲイのぼくは日常生活の中で誰かを好きになって、告白して、恋愛するという人間として当たり前の営みができないことを知った。好きになった人に、好きだと決して言ってもらえない人生なのだと悟った。難しいことなど望んではいない、ただ普通の人間の営みを享受したかっただけなのに、ぼくにとってはそれさえも贅沢品だと、神様はぼくに「普通の恋愛」をもたらしてはくれなかった。
初恋の時、膝枕されて優しく髪を撫でられていた時、ぼくは好きな気持ちが我慢できずに彼に「好きだよ」と言ってしまった。彼はふざけているんだと思って冗談を返しただけだった。やっぱり好きな人に好きだと言われることはないと、わかりきっていたことだけど心が虚しくなった。ノンケの男の子が男に好きだと告げてくれることなんて、まるで神話の中の世界だった。それはつまり、この世には起こるはずのない出来事だった。男が男に好きだと告げるためには、神聖な超越が必要だった。男も女も超越した、肉体など超えて魂だけで結びつくような共鳴が必要だった。そんな尊い超越が、たやすくこの世に落ちているわけがなかった。
・大学時代、ぼくはノンケの親友と喧嘩する度近くなっていった
関西から沖縄に移住した大学時代、ぼくはまた同級生のノンケの男の子を好きになってしまった。もう人を好きになりたくなんてないと天に祈っていたのに、嵐を避けることのできない無力な住民のように、ぼくはただ自らの根源から訪れる人を好きになるという野生の炎に燃やされて従うしかなかった。
ぼくが好きになった童貞の男子大学生の彼の夢は、女の子の恋人を作りその肉体を自由に弄ぶことだった。彼はいつも初めての彼女を作ろうと必死だった。それは単なる性欲旺盛な男子大学生の当たり前の風景だった。親友である彼の夢を、ぼくは応援することができなくなった。大好きな彼が夢を叶えて幸せになることは、ぼくに地獄が訪れることを意味していた。ぼくは彼が大好きなのに、彼の幸せを願えないという矛盾に引き裂かれて、心は滅ぼされた。
嫉妬深いぼくは彼が約束を破ったり、女の子と遊んだりしているのを知ると不機嫌になって、2人はよく喧嘩した。だけどその度に仲直りして、2人の距離は近くなっていった。男はいつも、喧嘩して仲直りした後は優しくなる。いつも喧嘩しても逃げたりはぐらかしてばかりの彼が、珍しくぼくとちゃんと向き合ってこう言った。
「喧嘩っていうのはどっちが悪いとかなくて、どっちも悪いとこがあって、まぁ全部俺が悪かったけど、水色にもちょっとは悪いところあったやろ?だからもう何もなかったことにしよ!もう喧嘩は終わりな。」
喧嘩して仲直りする数が増えるほど、ぼくたちは普通の親友の関係ではなくなっていった。
・ぼくとノンケの友達は誰にも言えない秘密を共有していた
ぼくは彼に膝枕されるのが好きだった。2人きりの時、ぼくはいつも彼の膝に頭を乗せて甘えた。彼はぼくの髪を優しく撫でてくれ、ぼくも彼の髪に触れて慈しんだ。そのうちに2人は、自然と抱きしめ合うようになった。ぼくが彼の細い体を抱きしめると、彼もぼくの頭を強く抱きしめてくれて、そのまま同じベッドの中で2人で眠った。すべては2人しか知らない秘密だった。
膝枕をしてくれているとき、彼の果実がぼくの頭に当たっていた。彼はよくふざけてぼくの顔を彼の果実に押し当てて遊んでいた。彼の果実はたまに熱く固く膨張していて、そんな時はぼくが笑って服の上から彼の果実を触って遊ぶと、彼は自分の果実を動かして喜んでいた。すべては2人しか知らない秘密だった。
・ぼくは好きな思いが抑えきれなくなって「好きだよ」と告白した
そんな日々が続いた時、ぼくは愛しさを抑えきれなくなって、冗談に聞こえるように彼に「好きだよ」と告白した。「好きだよ」と告げなければ、心が壊れてしまうような気がした。告白することで、2人の関係が壊れてしまいんじゃないかという恐れや不安はなかった。ぼくは水が高いところから低いところに流れて川ができるように、空気が重いところから軽いところに流れて風が生じるように、まさにそのようなごく自然の摂理の則って、正しくふさわしく彼に告白したと感じていた。勇気も、覚悟も必要なかった。ただ告げなければならないと、天に急かされた気がした。
彼はただ「うん」とだけ言って笑っていた。
・ぼくが告白して以来、2人は好きだと言い合って抱きしめ合う関係になった
ぼくが告白して数日後、2人はまた小さな喧嘩をした。彼はぼくに向かって「俺のこと嫌いになった?」と何度も聞いてきた。ぼくは「うん、嫌いになった」と答えると、彼は「俺も嫌い」と言い放った。ぼくはもういいやと思って帰ろうとすると、彼はものすごく小さな声で「うそやん。大好きだよ」とぼくに伝えてくれた。これが、彼がぼくに言ってくれた初めての「好き」という言葉だった。
ぼくは驚きのあまり、何も言い返せなかった。「ぼくも好きだよ」と、この時は言えなかった。この一生の中で好きな人に好きだと言ってもらえるなんて、思いもよらなかった。好きになった人には絶対に好きだと言われない、望みの絶えた悲しい日々を送っていくものだと虚しく覚悟していた。それなのに彼はぼくに好きだと言ってくれた。彼はぼくに超越を見せつけてくれた。すべては2人しか知らない秘密だった。
それからぼくたちは会うたびに、好きだと言って抱きしめ合った。強く抱き合いながら、お互いに固くなって濡れた果実を服の上から触り合った。そのまま2人で手を繋いだまま眠った。2人がただの友達じゃないことは明らかだった。けれど恋人じゃないことも明らかだった。好きだと言い合って抱きしめ合えば普通は恋人になれるのに、ぼくたちは同じ肉体を持っているから簡単に恋人とは呼べなかった。そして同じ肉体を持っているにも関わらず好きだと言い合える神秘的な超越を、ぼくは心から尊いと思った。
・大学時代の2番目の恋について
・ぼくの高校時代の初恋について
・同性愛について