天空の異郷
大切な人が立ち去っていくのは 時の流れよりもなお速い 知らない間に見えなくなっていた 待ってと言っても待ってくれなかった どんなに必死に生き抜いても 人にはできないことがある どんなに切実に願…


大切な人が立ち去っていくのは 時の流れよりもなお速い 知らない間に見えなくなっていた 待ってと言っても待ってくれなかった どんなに必死に生き抜いても 人にはできないことがある どんなに切実に願…

今ここにある世界が全てだと なぜ言い切ることができるのですか もうひとつの軌道がすぐそばに 横たわっているとは感じませんか たとえばこのような異国の果てにおいては どうせあなたに巡り会うことは…

どれだけ大地に水を撒いても すぐ渇き切るトルファンのように どんなに愛を注ぎ込まれても いつかはあなたを傷付けていた わたしは愚かな砂漠だった 見知らぬ異国の砂漠だった 幸せになれない定めを抱…

私は私を護る者 他の誰をも 護りはしない 気高く 潔く 美しく 私は私を護り抜く 自分を護る者を誰もが皆 自己愛に溺れたと否定するけれど 自分自身を護れない者が 他の誰をも護れはしない 私が背…

人が正しいと指し示す道なんて価値がない ただ都合よく支配するために塗り固められた土 何も考えずに生きる者たちが操られていく街 普通には生きられない魂が孤独を描いていく 正しさに護られて恐れをす…

人と異なるなと怯えた魂が泣き叫ぶ わたしとあなたは交わらぬ定め たとえ縁あって共に暮らしていたとしても わたしとあなたは違う色の岸辺 人と異なることで心を殺されながら この世を走り抜けた日々を…

おまえは胎内に過去を孕む者 おまえが大人になってしまったのは 子供のおまえを捨て去ったからじゃない あらゆる過去はおまえの内部に眠っている おまえが老いれば老いるほどに 過去のおまえは目醒める…

ぼくには果実があってよかった 水色の美しい果実があってよかった この世の全ての生命を生み出せる 神秘的な果実があってよかった あなたに果実があってよかった 硬くて熱い果実があってよかった 滾る…

夢の中でとても美しい島を訪れた どこに何があるのかすべてを覚えていて なぜ今まで忘れてしまっていたのか 驚くほどに長く暮らした島だった 碧い海に浮かぶ白い砂浜を端まで歩いた 医師の古い友人が痩…

永遠に旅する少年を 見たことがあるだろうか 旅人はいつの時代も おそれに負けてすぐに散る まともになれと騒ぐ 世の中の渦を乗り越えて 正しく生きろと叫ぶ 臆病者たちの泥をすり抜けて 貫かれた直感にのみ 従い…