全作品解説!中島みゆき・夜会の心に響く言葉たち

 

中島みゆきの夜会映像作品を見てみたいとは思うけれど、たくさんありすぎてどれを見ればいいのかいまいちよくわからない、しかもDVDの値段も割と高いし選ぶのに失敗したくない、と迷っている方々も多いのではないだろうか。

そこで今回は、夜会の全映像作品を鑑賞したぼくが、それぞれの夜会のクライマックスで歌われる感動的な言葉たちについて紹介したいと思う。

夜会の真髄は、なんといってもクライマックスにあり、そのクライマックスにおいてその夜会の本質が垣間見えるといっても過言ではない。それらの言葉をご覧いただき、ご自身の心に最も強く訴えかける言葉がある夜会が、今あなたにとって最も縁のある夜会かもしれない。

 

 

全作品解説!中島みゆき・夜会の心に響く言葉たち

・夜会1990
・夜会 VOL.3 「KAN(邯鄲)TAN」
・夜会 VOL.4 「金環蝕」
・夜会 VOL.5 「~花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」
・夜会 VOL.6 「シャングリラ」
・夜会 VOL.7 「2/2」
・夜会VOL.8 「問う女」
・夜会VOL.10 「海嘯」
・夜会VOL.13 「24時着 0時発」、夜会VOL.14 「24時着 00時発」
・夜会VOL.16 「~夜物語~本家・今晩屋」
・夜会VOL.17 「2/2」
・夜会VOL.18「 橋の下のアルカディア 」

・夜会1990

曲:Maybe

“夢見れば人生はつらい思いが多くなるけれど
夢見ずにいられない もしかしたら…”

この夜会はまだコンサートのような雰囲気が漂っている最も初期の夜会である。中島みゆきの笑えるトークなども収録されており珍しい。夜会のテーマ曲でもある「二隻の舟」もフルで美しく歌われており聞きごたえがある。これから始まる夜会の大きな歴史を予感させる。

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【収録曲】

1 二隻(そう)の舟
2 彼女によろしく
3 ミルク32
4 流浪(さすらい)の詩(うた)
5 窓ガラス
6 うそつきが好きよ
7 元気ですか
8 クレンジングクリーム
9 月の赤ん坊
10 断崖-親愛なる者へ-
11 孤独の肖像
12 強がりはよせヨ
13 北の国の習い
14 ショウ・タイム
15 Maybe
16 ふたりは

 

 

・夜会 VOL.3 「KAN(邯鄲)TAN」

曲:I love him

“夢見続けた願いはいつも 愛されること愛してもらうこと
それが人生の幸せだっていつも信じてた 信じて待った 待って夢見た
私にだって傷ついた日はあったと思う けれどもそれは
欲しがるものが手に入らなくて 裏切られたような気がして泣いた 子供の夢ね

それならば私は何も 失わずに生きていけ
でも何か忘れたことがある でも誰も愛したことがない
それで生きたことになるの?それで生きたことになるの?
長い夢の後 本当の願いが 夢の中目を覚ます

I love him I love him I love him I love him I love him I love him

返される愛はなくても”

女性にとって幸せとは選ばれること、愛されることだと世の中で言われがちである。しかし彼女は、本当にそうなのかとぼくたちに問いかける。愛されることばかり望んで、愛することをしなければ、この人生は生きていることにさえならないと、彼女は愛の本質について主張する。生きる上で“本当の願い”は愛されることではなく愛することであると、忘れがちなその愛の本質を、ぼくたちにはっきりと思い出させてくれる。逆に言えば、愛されなくても愛することをすれば、生きていることになるという、愛するこということに対する満たされた肯定であふれている。愛されることがなくとも心のままに愛を捧げている人、または人生で誰かを愛したいと切に祈る人にとって、この夜会の言葉は心の髄にまで染み渡ることだろう。

ちなみに「殺してしまおう」というなんともショッキングなタイトルの曲を、中島みゆきが白髪の老婆になって激しく威勢良く歌う姿も必見ではある。

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【収録曲】

1 涙-Made in tears-
2 トーキョー迷子
3 タクシードライバー
4 キツネ狩りの歌
5 僕は青い鳥
6 ロンリーカナリア
7 ひとり遊び
8 萩野原
9 キツネ狩りの歌
10 わかれうた
11 ひとり上手
12 さよならの鐘
13 LA-LA-LA
14 サーチライト
15 キツネ狩りの歌
16 B.G.M
17 シュガー
18 黄色い犬
19 キツネ狩りの歌
20 ふたつの炎
21 傾斜
22 二隻 (そう)の舟
23 傾斜
24 殺してしまおう
25 雪
26 I love him

 

・夜会 VOL.4 「金環蝕」

曲:泣かないでアマテラス

“地上に悲しみが 尽き日はなくても
地上に憎しみが 尽きる日はなくても
それに勝る笑顔が ひとつ多くあればいい
君をただ笑わせて 負けるなと願うだけ

泣かないで 泣かないで 泣いて終わらないで
泣かないで 泣かないで 泣いて終わらないで”

この夜会は古事記の天の岩戸の物語がテーマである。弟の暴力にひどく嘆き、悲壮の中で天の岩戸へ隠れてしまった天照大神。それは神話の中だけでなく、現代という時代であっても、深い悲しみに暮れてしまった時には誰でも、目がくらみ、周りが見えなくなり、自分自身の心の檻の中深くへ孤独に閉じこもり、自分自身を隠してしまうことだろう。そのような魂たちに向かって、中島みゆきは高らかに歌い上げる。悲しいことはいっぱいあるけれど、その命を孤独に泣いて終わらせないでほしいと。笑ってごらん、楽しいことも嬉しいことも岩戸の外の世界にはあるよ、さあ出ておいでと。その慈悲深い大らかで女性的な言葉の抱擁に、誰もが昔母親に抱かれたときのような、安らぎと幸福感を得られることだろう。

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【収録曲】

1 インストゥルメンタル「金環蝕」
2 C.Q.
3 砂の船
4 ほうせんか
5 歌をあなたに
6 泣かないでアマテラス
7 エレーン
8 遠雷
9 冬を待つ季節
10 泣かないでアマテラス
11 世迷い言
12 熱病
13 最悪
14 遠雷
15 冬を待つ季節
16 泣かないでアマテラス
17 真直(まっすぐ)な線
18 やまねこ
19 新曾根崎心中
20 泣かないでアマテラス
21 EAST ASIA
22 泣かないでアマテラス
23 二隻(そう)の舟
24 DIAMOND CAGE
25 インストゥルメンタル「金環蝕」
26 泣かないでアマテラス

 

・夜会 VOL.5 「~花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に」

曲:人待ち歌

“荒野を超えて
銀河を超えて
戦を超えて
必ず会おう”

この夜会は、歌の言葉というよりも、そのクライマックスのパフォーマンスに圧倒される一作である。テーマは「待つ」ということ。古典の「雨月物語」をモチーフにしている。女性は古来より、愛する人を待つということがいじらしく素晴らしいというイメージを植え付けられてしまっているが、そんなことを他人がとやかく言っても、愛する人に会えなければ意味がない。待つことなんかしないでむしろこっちから会いにいってやろうよという、すべての女性の中に眠っている愛の能動性を勇気付け奮起させることを助ける作品。クライマックスで、畳み掛けるようにして語られる彼女自身の次の言葉が圧巻!

“銀河は秋を告げ、冬を待ち、春を迎えて
旅人はわすれ草に絡めとられ宵待草は茅原に埋もれても
逢おうがための約束ならば
逢うを待つ間に恋死にに死んでなど、なるものか

来る、来ない、来る、来ない

待ち死んで、後の世の人に美徳と誉め称えられてみたところで
待ち人に逢えずして、何の手柄が嬉しいものやら
人待ち歌は待ち人に宛ててこその人待ち歌
夕告げ鳥に誉められたとて何の足しにもなりはせぬ

来る、来ない、来る、来ない

辿り着き得ぬ人の思いを、試し眺めて歌詠むような女に人待ちを名乗られたくはない

必ずと疑わぬ目に、時など映る隙があろうや?
必ずと疑わぬ耳に、時など響く隙があろうや?

一途という名の地図を辿り
橋占に問うよりもその橋を渡って
待ち人の急ぐその、それ、そこの道まで
逢いに出かけるまでのこと!”

【収録曲】

1 どこにいても
2 雨が空を捨てる日は
3 家出
4 バス通り
5 笑わせるじゃないか
6 人待ち歌
7 信じ難いもの
8 サッポロSNOWY
9 ノスタルジア
10 船を出すのなら九月
11 遍路
12 まつりばやし
13 3分後に捨ててもいい
14 りばいばる
15 二隻(そう)の舟
16 雨月の使者
17 孤独の肖像1st.
18 彼女の生き方
19 テキーラを飲みほして
20 たとえ世界が空から落ちても
21 くらやみ乙女
22 愛よりも
23 人待ち歌
24 夜曲

 

・夜会 VOL.6 「シャングリラ」

曲:生きてゆくおまえ

“きっと愛を見つけてよ 本当の愛を見つけてよ
生きてゆくお前”

マカオを舞台にした、死んだ母を思うあまりの娘の復讐劇。しかし衝撃の結末がこの歌「生きてゆくおまえ」で語られる。人を恨むこと、憎むこと、それに対し復讐することの虚しさを感じさせる一作。ぼくの中では、中島みゆきの声の出や伸びやかさが最良の作品だと思っており、聞いていて迫力があるし心地よい。舞台の中で2回連続で歌われる、別の人物像によって歌われる「誕生」の絶唱も聞きごたえあり。

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【収録曲】

1 思い出させてあげる(Inst.)
2 怜子
3 煙草
4 噂
5 波の上
6 南三条
7 縁
8 あの娘
9 朝焼け
10 五才(いつつ)の頃
11 F.O.
12 忘れてはいけない
13 思い出させてあげる
14 あり、か
15 春までなんぼ(Inst.)
16 子守歌
17 グッバイ ガール
18 黄砂に吹かれて
19 思い出させてあげる
20 友情
21 シャングリラ
22 思い出させてあげる
23 春までなんぼ
24 波の上
25 二隻(そう)の舟
26 生きてゆくおまえ
27 誕生
28 生きてゆくおまえ
29 シャングリラ(Inst.)

 

・夜会 VOL.7 「2/2」

曲:幸せになりなさい

“植え付けられたおそれに しばりつけられないで
ただまっすぐに 光の方へいきなさい

間違ったおそれに しばりつけられないで
ただまっすぐに 光の方へいきなさい”

「自分は幸せになってはいけない」といつからか思い込んでしまった女性が主人公の作品。その悲しい呪いのような思い込みの原因が、遠い昔の、他人の、何気ない「ヒトゴロシ」というひとことであったことに、日本から逃げた先のベトナムで気がつく。たったひとことによって傷つけられる人の心のやわらかな性質、またたやすく人を傷つけ得る鋭敏な言葉というものを大切に用いることの重要性について考えさせられる。舞台はベトナムであり異国情緒あふれる作品。主人公が単なる“観光客”から、ベトナムに根を下ろし生き抜く“魂の旅人”となるまでの歌による推移も見どころだ。

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【収録曲】

1 LAST SCENE(Inst.)
2 TOURIST
3 誰かが私を憎んでいる(Inst.)
4 1人旅のススメ
5 拾われた猫のように
6 奇妙な音楽(Inst.)
7 誰かが私を憎んでいる
8 NEVER CRY OVER SPILT MILK
9 奇妙な音楽(Inst.)
10 この思いに偽りはなく
11 1人で生まれて来たのだから
12 TOURIST
13 途方に暮れて
14 ハリネズミ
15 市場は眠らない
16 TOURIST
17 拾われた猫のように(Inst.)
18 竹の歌
19 紅い河
20 7月のジャスミン
21 自白
22 目撃者の証言
23 幸せになりなさい
24 二隻(そう)の舟
25 幸せになりなさい
26 紅い河

 

・夜会VOL.8 「問う女」

曲:PAIN

“どれだけ傷つき汚れても 人はまだ傷つく
痛まない人などあるだろうか

歌え雨よ 笑え雨よ 限りのない人の愚かさを
歌え雨よ 笑え雨よ 限りのな人の悲しさを

呼びかける 呼びかける 問いかけは街にあふれても
ふりむけば ふりむけば 吹きすさぶ風ばかり

荒野の中 誰の声も 聞かぬ1日
荒野の中 誰の声も 聞かぬ一生”

“言葉の実験劇場”と銘打つ、夜会らしい言葉に関する示唆にあふれた一作。主人公はまさに“言葉”を操るところのアナウンサー業の女性。しかし彼女は自分自身の言葉を話さず、ただ会社に決められた言葉を湯水のように世の中へ注ぎ込むための女性に過ぎなかった。そんな彼女が、日本語を話せないタイ出身の娼婦“26,000円”と出会うことにより、言葉の熱量と本質に徐々に気づいていく。“問うということは、語ることなんだと、語るということは、聞くことなんだと、言葉を知らない26,000円が、私に教えてくれました。”

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【収録曲】

1 誰だってナイフになれる
2 エコー
3 エコー(“BERRIES”)
4 SMILE,SMILE
5 台風情報
6 エコー
7 誰だってナイフになれる
8 RAIN
9 JBCのテーマ
10 公然の秘密
11 エコー
12 誰だってナイフになれる
13 女という商売
14 二隻(そう)の舟
15 あなたの言葉がわからない
16 血の音が聞こえる
17 未明に
18 異国の女
19 JBCのテーマ
20 未明に
21 PAIN
22 RAIN

 

・夜会VOL.10 「海嘯」

曲:フロンティア

“転がる石のように生きることもできる
上澄みをさらうようにうまく生きることもできるのに…

フロンティア フロンティア 地平を見つけるために

誰にも守られず 誰にも祀られず
さみしさも優しさも 行く手を塞げない”

ハワイ在住の社長キャリアウーマンが主人公の作品。ロサンゼルス行きの飛行機の中で喀血し、ハワイの田舎町ヒロのテレジア結核療養所へと送られる。両親を殺された報いとして、壮大な復讐劇を計画している彼女。しかしそれも、結核療養所から逃げられないことにより頓挫してしまう。そんなとき、ヒロに巨大な津波が押し寄せて来る。
彼女の復讐計画の告白の後に歌われる「紫の桜」は、夜会随一の“絶唱”と呼ぶにふさわしい歌唱。紫の桜の花びらが舞台の上から大量に舞い落とされ、その中で絶唱する中島みゆき。これを見ない手はないと思わせるほどの名場面である。

ちなみに話の内容に関しては、「海嘯」の本を読むとそうだったのかと驚きをもって知らされることも多かった。長年映像作品だけを見てきたが、内容は本を読まないと完全にはわかりにくいかもしれない。それでも、映像の迫力だけでも十分楽しめる作品ではあるが。

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【収録曲】

1 故国(Inst.)
2 夢を叶えて
3 夢の代わりに
4 夢を叶えて
5 I am
6 故国
7 I am
8 カレンダー
9 知人・友人・愛人・家人
10 空しき人へ
11 夢の代わりに
12 二隻(そう)の舟
13 難破船
14 愛から遠く離れて
15 Good Morning, Ms. YAMASHINA
16 献灯
17 白菊
18 明日なき我等
19 時効
20 フロンティア
21 夢の代わりに(Inst.)
22 紫の桜
23 叶わぬ夢
24 フロンティア

 

・夜会 VOL.13「24時着 0時発」、夜会 VOL.14「24時着 00時発」

曲:命のリレー

“この一生だけでは たどり着けないとしても
命のバトン掴んで 願いを引き継いでゆけ”

“輪廻転生”“鮭の遡上”“銀河鉄道の夜”を合体させた、中島みゆきの真骨頂とも言える作品。名曲も多く、ファンの間では名作と名高い。原作と再演と連続で映像がリリースされた珍しい作品。ふたつの間に特に違いはないが、原作の方が歌唱にド迫力があるだろう。再演は原作よりやや控えめな歌い方だが、最後の少年になった中島みゆきの「命のリレー」の独唱は原作の方には収録されておらず、非常に見応えがある。原作の方の最後に歌われた感動的な「命のリレー」独唱は、CDにのみ音源で収録されている。「ひとつの軌道に誰かが入っている限り、その出口は、その誰かのためにしか開かないつくりになっていた。」運命に翻弄され、惑わされ、迷い彷徨うすべての魂たちを勇気付ける人生の道しるべとも言える作品。

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【収録曲】

1 サヨナラ・コンニチハ
2 線路の外の風景
3 分水嶺
4 フォーチュン・クッキー
5 パーティー・ライツ
6 闇夜のテーブル
7 情婦の証言
8 ティムを探して
9 廃線のお知らせ
10 遺失物預り所
11 水を点して火を汲んで
12 ミラージュ・ホテル
13 ミラージュ・ホテル
14 メビウスの帯はねじれる
15 DOORS TO DOORS
16 リゾート・ラッシュ
17 水の線路
18 我が祖国は風の彼方
19 三日月の湖(うみ)
20 帰れない者たちへ
21 月夜同舟
22 命のリレー
23 サーモン・ダンス
24 二隻 (そう)の舟
25 無限軌道
26 ミラージュ・ホテル
27 サーモン・ダンス
28 命のリレー(Instrumental)

 

・「夜会」VOL.16 「~夜物語~本家・今晩屋」

曲:赦され河、渡れ

“もう十分に泣きました もう十分に散りました
思い上がっていけません 人ほど弱いものはない

裁く力も 赦す力もない

赦され河、渡れ
赦され河、渡れ
赦され河、渡れ
赦され河、渡れ”

中島みゆきらしい“輪廻転生”の観念と、さらには“仏教”の観念を色濃く打ち出した作品。森鴎外による物語「山椒大夫」の安寿と厨子王のその後の物語であるとされる。“逃げる”ことがテーマ。ファンの間では当初は「わかりにくい」という評判の立っていた夜会であったが、ぼくが映像で初めてこの作品を見た時には感動のあまり号泣してしまった。今でも最も好きな夜会作品のひとつである。心のチャンネルの合う人にはとことん合う作品でないだろうか。最後の「十二天」〜「紅蓮は目を醒ます」〜「赦され河、渡れ」までの流れは本当に尊さ、神々しさを感じさせるほどに感動的だ。幸せになれないというどうしようもない定めを生まれつき持っている人や、生まれながらに罪の意識に苛まれている人などは、ひどく心に響く作品に違いない。

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【収録曲】

1 十二天(Inst.)
2 暦売りの歌
3 百九番目の除夜の鐘
4 夜をくだされ
5 海に絵を描く
6 旅支度なされませ
7 私の罪は水の底
8 逃げよ、少年
9 百九番目の除夜の鐘
10 愚かな禿
11 らいしょらいしょ
12 ちゃらちゃら
13 憂き世ばなれ
14 夜いらんかいね
15 百九番目の除夜の鐘
16 旅支度なされませ
17 らいしょらいしょ
18 都の灯り
19 暦売りの歌
20 幽霊交差点
21 旅支度なされませ
22 百九番目の除夜の鐘
23 安らけき寿を捨て
24 夜をくだされ
25 有機体は過去を喰らふ
26 私の罪は水の底
27 有機体は過去を喰らふ
28 らいしょらいしょ
29 百九番目の除夜の鐘
30 十文字
31 ほうやれほ
32 十二天
33 紅蓮は目を醒ます
34 赦され河、渡れ
35 夜いらんかいね
36 天鏡
37 暦売りの歌(Inst.)

 

・夜会VOL.17 「2/2」

曲:旅人よ我に帰れ

“優しすぎる弱虫は 孤独だけを選び取る
真実の灯をかざして 帰り道を照らそう”

夜会2/2の再再演であるが、新曲が盛りだくさんでこれはもう新作といってもよいのではという作品。特に新曲にも名曲が多く、前回の2/2の映像をご覧になった方でも新鮮な気持ちで見られることに間違いはない。クライマックスは「幸せになりなさい」で前回と変わらないが、クライマックスシーンの重厚感、そしてスピード感は進化しており、どちらを何度繰り返し見ても感動が絶えることはない。歪みを呈した怪しい鏡が常に設置されていることなど、舞台上の道具にも注目したい。

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【収録曲】

1 旅は始まる
2 新しい風
3 笹舟
4 遠近法
5 ささやかな花
6 Last Scene
7 奇妙な音楽
8 鏡の中の他人
9 Never Cry Over Spilt Milk
10 ギヴ・アンド・テイク
11 奇妙な音楽
12 彼と私と、もう1人
13 誰かが私を憎んでいる
14 夢中遊行
15 ばりほれとんぜ
16 暗闇のジャスミン
17 誰かが私を憎んでいる
18 暗闇のジャスミン
19 1人で生まれて来たのだから
20 市場は眠らない
21 途方に暮れて
22 この思いに偽りはなく
23 帰郷群
24 帰郷群
25 竹を渡る風の中で
26 姉妹になるがいい
27 鶺鴒
28 緘口令
29 旅人よ我に帰れ
30 茉莉花
31 竹の歌
32 紅い河
33 7月のジャスミン
34 海のカルテ
35 自白
36 目撃者の証言
37 7月のジャスミン
38 目撃者の証言
39 暗闇のジャスミン
40 幸せになりなさい
41 二雙の舟
42 幸せになりなさい(旅人よ我に帰れ)
43 彼と私と、もう一人
44 紅い河

 

 

・夜会VOL.18「 橋の下のアルカディア 」

曲:India Goose

“飛び立て 飛び立て 戻る場所はもうない
飛び立て 飛び立て 夜の中へ

シンガーソングライターの中村中さんと、石田匠さんと共演する作品。3人とも歌唱力、表現力に長けており、3人の織りなす物語に知らず知らずのうちに引き込まれる。テーマは「集団と個人」。集団になればなぜか凶暴化してしまう人間の性質は、人柱を立てた江戸時代だろうと、特攻隊を企てた近代の日本であろうと変わらない、人間の悲しい本質である。その不変の危険な本質に光を当て、再度凶暴化してゆく現代のこの国の人間たちに警鐘を鳴らす刺激的な作品となっている。そして、集団になれば凶暴化する人間たちが、個人の魂としてそれぞれの救済を得るためには何が必要か、”India Goose”含む最後のクライマックスで壮大に描かれている。

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【収録曲】

1 なぜか橋の下
2 水晶球(すいしょうきゅう)
3 謎(なぞ)な女
4 問題集
5 いらない町
6 失(う)せ物(もの)探し
7 恋なんていつでもできる
8 いちど会ったらどうかしら
9 大きな忘れ物
10 猫なで声プリーズ
11 川の音が聞こえる
12 一族
13 昔々あるところに
14 捨て子選び
15 すあまの約束
16 男の仕事
17 身体の中を流れる涙
18 男の仕事
19 みのむし(鬼の捨て子)
20 私と一緒に
21 猫籠(ねこかご)
22 人柱(ひとばしら)
23 人間になりたい
24 問題集
25 身体の中を流れる涙
26 どうしてそんなに愛がほしいの
27 雨天順延
28 ペルシャ
29 袋のネズミ
30 シャッター街
31 恋なんていつでもできる
32 雨天順延
33 二雙(そう)の舟
34 水晶球(すいしょうきゅう)
35 一族
36 呑んだくれのラヴレター
37 一夜草(いちやそう)
38 毎時(まいじ)200ミリ
39 いらない町
40 呑んだくれのラヴレター
41 猫にだけ見えるもの
42 国捨(くにす)て
43 India Goose
44 私と一緒に
45 India Goose
46 なぜか橋の下

 

 

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