発情や性欲ではない愛の歌!中島みゆきの「本質的な愛」「無償の愛」を歌った愛の歌8選

 

発情や性欲ではない愛の歌!中島みゆきの「本質的な愛」「無償の愛」を歌った愛の歌8選

・「本質的な愛」と「発情」のどちらもを「愛」という言葉で表現し混乱する浮世

「愛」とは一体なんだろうか。愛と聞いてまず想像するのは、人々が「愛している」と言い合う姿だ。特にテレビや本やメディアなどから流れてくる刺激的な情報からは、男が女に「愛している」と告げたり、女が男に「愛している」と告げたりする恋愛的な側面が強い。しかしぼくたちが最も頻繁に目撃する男女が「愛している」という言葉は、本当に愛なのだろうか。

愛の本質とは、与えるという行為にある。それも見返りを求めないという点が非常に重要だ。見返りを期待して、利益を求めて、損得勘定を計算して解き放たれる「愛している」という言葉は、本質的な意味としての「愛」とは呼ぶことができない。

人間の男女は「愛している」と言い合い、愛しているからこそ自然と生殖を行い、子供ができると教えられる。しかし本当に人間は、愛しているから生殖するのだろうか。「愛しているから生殖する」という思想は、それ自体「愛」の原則から外れている。「愛している」からそのお返しに、生殖してほしいと期待しているからだ。生殖という行為そのものも、快楽を与えてあげるから快楽を返してほしいという野望に根ざしている。快楽を与え続けるだけの生殖なんて、誰が欲望するのだろうか。それを生殖だとは決して見なせない人も多いだろう。自分が気持ちよくなれないのならそんな無駄な行為はしたくないと、生殖を無視して別の楽しいことをし始めるに違いない。生殖とは本来、愛からとても遠い行いだと言える。

「愛」とは本来与え続け、何も求めないという行為だ。「愛しているから生殖したい」と願う人々が思い込んでいる「愛」というのは、ただの「発情」のことではないだろうか。自らのうちから沸き起こる野生的な発情のことを人々は「愛」と呼び、まるで尊い概念のように見当違いに崇めているだけではないだろうか。本当の「愛」ならば、「愛している」と言うお返しに生殖をしてくれなくても一緒に居続けられるはずである。しかし「愛している」と信じ合う人々の一体どれほどが、生殖なしの共存に耐えられるのだろうか。

 

 

・発情や性欲ではない愛の歌!中島みゆきの「本質的な愛」「無償の愛」を歌った愛の歌8選

このように人の世では「本質的な愛」と「発情」を一緒くたに「愛」という言葉で表現し、「本質的な愛」と「発情」がごちゃ混ぜになって存在している。ぼくたちが人の世で「愛」を見かけた時、これは「本質的な愛」かただの動物的な「発情」かを見分ける力が必要だ。それは歌を聞くときも同様で、「愛」という言葉が多用されている日本の音楽においても大抵は「発情」の歌であり、「本質的な愛」の歌は稀である。

ここでは日本が誇るシンガーソングライターの中島みゆきの多くの楽曲の中から「本質的な愛」を紹介しよう。中島みゆきの歌においても「本質的な愛」は、晩年の作品に多いと感じられる。やはり人間というものは若いうちは頻繁に発情し溢れ出る性欲に惑わされ「愛」の本質を見抜きにくいが、年をとるにしたがって「愛」の本質が見えてくるものなのだろうか。

もしも年をとって「愛」の本質を見抜けるようになるのだとしても、若いうちの動物的な発情も溢れ出る性欲も今限りの尊い衝動だと慈しみ大切にしていきたい。

 

 

・今日以来

もう愛します 今日以来
愛されたがりは罪作り
もう愛します 今日以来
愛したがりになれるかな

 

(この記事は著作権法第321項に則った適法な歌詞の引用をしていることを確認済みです。)

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・惜しみなく愛の言葉を

もしも私の愛の言葉の
あらん限りを君に贈れば
もう明日から言葉も尽きて
私は愛に置き去りかしら

いいえ私は明日をも知れず
今日あるだけの1日の花
いいえ私は明日を憂えず
今日咲き尽くす1日の花

惜しみなく愛の言葉を
君にささぐ 今日も明日も
惜しみなく愛の言葉を
君にささぐ あらん限りに

 

・I Love You,答えてくれ

プラスマイナス数えながら
君を見つめるわけじゃない
いつか実りをもらうため
君を大事にするわけじゃない

惚れた方が損になるなんて
取引や投資じゃあるまいし
惚れて嬉しい単に嬉しい
同じ時代に生まれて嬉しい

愛さずにいられない馬鹿もいる
悩まないで受け取ればいいんだよ
愛さずにいられない馬鹿もいる
受け取ったと答えてほしいだけさ

 

・ひまわり”SUNWARD”

あのひまわりに訊きにいけ
あのひまわりに訊きにいけ
どこにでも降り注ぎ得るものはないかと
誰にでも降り注ぐ愛はないかと

たとえどんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえどんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう

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・愛が私に命ずること

すべて愛が私達に命ずることなら
ためらいはしない
恐れもなく後も見ず歩いていけるだろう

すべて愛が私達に命ずることなら
戸惑いはしない
寂しささえ意味がある

もしも愛と違うものが命ずることなら
従いはしない
立ちふさがる悲しみや痛みを見据えても

もしも愛と違うものが命ずることなら
従いはしない

心には翼がある

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・慕情

愛より急ぐものがどこにあったのだろう
愛を後回しにして何を急いだのだろう
甘えてはいけない 時に情けはない
手放してならぬはずの何かを間違えるな

ふりむく景色はあまりに遠い

もいちどはじめから
もしもあなたと歩き出せるなら
もいちどはじめから
あなたにつくしたい

 

・愛だけを残せ

愛だけを残せ 壊れない愛を
激流のような時の中で
愛だけを残せ 名さえも残さず
命の証に愛だけを残せ

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「地上の星」の具体的発展!中島みゆき「愛だけを残せ」は人生の目的を高らかに歌うキリスト教的楽曲

 

・走(そう)

応援はとうに終わっている
表彰はとうに終わっている
千切れ去ったテープも 行き交った盃も
伝説に変わっている

恩人は恩返しを待っている
損になるか得になるか数えている
一切れの優しさも一切れも励ましも
見返りを数えている

ぼくは迷っているのだろうか
ぼくは走っているのだろうか
約束の船は風の中 はるかな吹雪の中
どこまでもどこまでも 荒野は続いている

たどり着いたら誰がいるだろう
力尽きたら誰が知るだろう
報われたならその時泣こう

それまでは笑っていこう

Yes My Road,Yes My Road
愛だけで走っていく

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