人は誰もがかけがえのない存在!中島みゆき自身が語った「永久欠番」の歌詞の意味とは?

 

人は誰もがみんな、永久欠番だ。

人は誰もがかけがえのない存在!中島みゆき自身が語った「永久欠番」の歌詞の意味とは?

・人生観を変えられるほどの名曲との出会い

この世には数え切れないほどの楽曲が発表されているが、人生観を変えられるほど強烈なインパクトと感動をもたらす歌というのはほとんどない。一生のうちでどれほどそのような名曲に出会えるかどうかは、巡り合わせや運に左右されるところが大きいのだろうか。それでも心を揺さぶるような素晴らしい楽曲がどこにあるのだろうかと、常に自分の中でアンテナを張って注意深く繊細に真剣に生き抜くという姿勢は重要になってくるかもしれない。

流行と宣伝の波まですぐに消失してしまう消費音楽の多い中で、いつまでも心に残る名曲に出会えるという機会は、まさに素晴らしい人物に出会ったときほどに尊い経験となることだろう。ぼくもまだ短いこの一生の中で様々な名曲に出会えたことに感謝しているが、その中でも最も衝撃を受けた楽曲のひとつに中島みゆきの「永久欠番」がある。

 

 

・永久欠番はオリジナルアルバム「歌でしか言えない」に収録されている

「永久欠番」は1991年発売の中島みゆき19枚目のオリジナルアルバム「歌でしか言えない」に収録されているアルバム曲だ。ベストアルバムにも収録されたこともなく、ライヴ映像が公開されたこともない、まさにこの「歌でしか言えない」というアルバムでしか聞くことができない名曲となっている。

 

・永久欠番は1番、2番、3番で、人が生きる虚しさや寂しさを淡々と描いていく

「永久欠番」で衝撃的だったのは、まさにその歌詞とダイナミックな曲構成にある。「永久欠番」の歌詞は分析していくとかなりシンプルだ。

すなわち「永久欠番」では1番と2番と3番において、人間は絶対に死んでしまう運命にある儚い生き物だ、しかも人が1人死んでしまったからといって世界が終わることも止まることも決してない、誰の代わりだってすぐに見つかり死んでしまったこともすぐに忘れられて世界は回っていく、自分なんていてもいなくても世界にとって何も変わらないんだ、どんなに必死に生きようと頑張ってみても「かけがえのない人間」になんて決してなれないのだと、人間が生きる上でのどうしようもない切なさや寂しさ、虚無感を描いている。究極的にまとめてしまえば「私の代わりなんていくらでもいるのだからいてもいなくてもどうせ変わらないのだ」という、自分が今生きる意味を見失ってしまいそうな虚しさが込み上げてくる歌詞なのだ。1番と2番と3番は静かで神妙な雰囲気の中、どうしようもない生きる虚無感を抱えた人の心の内を中島みゆきが切実に淡々と歌い上げていく。

 

 

・永久欠番の1番の歌詞

どんな立場の人であろうと
いつかはこの世におさらばをする
確かに順序にルールもあるけど
ルールには必ず反則もある

街は回っていく
人1人消えた日も
何も変わる様子もなく
忙しく忙しく 先へと…

(この記事は著作権法第32条1項に則った適法な歌詞の引用をしていることを確認済みです。)

 

・永久欠番の2番の歌詞

100年前も100年後も
私がいないことでは同じ
同じことなのに生きていたことが
帳消しになるかと思えばさみしい

街は回っていく
人1人消えた日も
何も変わる様子もなく
忙しく忙しく 先へと

かけがえのないものなど いないと風は吹く

 

・永久欠番の3番の歌詞

愛した人の席が空っぽになった朝
もう誰も座らせないと人は誓ったはず
でもその思い出を知らぬ他人が平気で座ってしまうもの

どんな記念碑(メモリアル)も雨風に削られて 崩れ
人は忘れられて
代わりなどいくらでもあるだろう

誰か思い出すだろうか ここに 生きてた私を…

 

・永久欠番は4番であらゆる人生に徹底的な肯定を降り注ぐ

しかしここまで延々と続いていた1番、2番、3番の神妙で静かな雰囲気が、ここにきて途端に打ち破られる。それが大サビ、4番へと移行する合図だ。1番、2番、3番全体に漂っている人間の代わりなどいくらでもいる、だから生きていても生きていなくてもどうせ変わらないんだという、生命に対するどうしようもない虚無感に満たされた雰囲気から一変し、急にアレンジが壮大な雰囲気に切り替わり、さらに4番の大サビではこれまでの1番、2番、3番までの歌詞とは全く真逆の内容を、絶唱と共に中島みゆきが歌い上げる!

すなわちそれは人間には代わりなんていない、それぞれの人にはそれぞれの席や役割や使命が用意されておりそれは後から来た他人に踏襲されるものでは決してない、つまり人間は誰もが「永久欠番」だという内容の歌詞だ。1番、2番、3番で淡々と歌い上げられてきた人間の生きる虚しさや絶望の感情が、ここへ来て我慢できずに一気に爆発し「そんなことは決してない」「人間には誰もがかけがえのない代わりのない存在だ」という、有無を言わせぬすべての人生に対する絶対的で徹底的な肯定が中島みゆきから絶唱と共に提示され、すべての虚しさを抱えた彷徨える魂たちが救済されるという進行となっている。

しかしこの永久欠番のカタルシスのものすごい迫力を、どんなにブログの言葉で説明しても決して説明しきれないので、ぜひ名曲揃いの「歌でしか言えない」を購入してチェックしていただきたい。まさに徹底的などうしようもない絶望の中にいた魂が、急激に天に向かって救われ昇華されていくような不思議な感覚を、大げさではなく味わうことができる。

 

・永久欠番の4番、大サビの歌詞

百億の人々が 忘れても 見捨てても
宙の掌の中 人は永久欠番
宙の掌の中 人は永久欠番

 

・永久欠番とは何か?

永久欠番とは背番号などを使用するスポーツにおいて、多大な功績を残した人物の使用した背番号を、その人物の栄誉と栄光の歴史を末永く称えるために、団体内で対象となった人物のみが使用できるように欠番にした番号のことをいう。

例えば長嶋茂雄という野球選手は大活躍したので、その栄光を忘れないために彼の背番号である巨人の3番は、これから誰も背負うことがないという。巨人の3番は永久に長嶋茂雄だけの番号になったのだ。

 

 

・中島みゆき自身が「永久欠番」について語ったこと

中島みゆきはこの壮大な名曲「永久欠番」について何を語っているのだろか。オリジナルアルバム「歌でしか言えない」発売当時に雑誌の中で語られたインタビュー内容を以下に掲載する。

出ましたね(笑)。(オリジナルアルバム「歌でしか言えない」の中での)曲の流れがどうなるかと思ったら、いきなりこれ。つまり、ここから先は流れはどうでもいいっちゅうことだよね(笑)。「C.Q.」で呼びかけ、「おだやかな時代」でレールに乗って、トーキョーで迷子になって、「恨みたくない」とか言ってたんですけど。ここまできてとうとう思考回路がぶっちぎれちゃった(笑)。

あのね、死を余儀なくされるっていうことを見ることが多くてね。もちろん生まれてくるのもたくさん見られるんだけれど。すると、あれだけ一生懸命いろんなことやろうとしても死んだらおしまいよねって言い方があるでしょ。でも、ほんとに死んだらおしまいなのかしらってとこで、せめて欠番であって欲しいじゃないかって思ったんです。私は、死ぬことそのものには絶望は感じないんだけれども、絶望的であるというか悲しむべきことは、”かけがえがある”っていうことだと思って。自分が死ぬこと自体はそりゃあ生き物である以上しょうがないとしても、その生きてたってことが別に自分じゃなくてもよかったんだと、それじゃあ、はじめからいなくてもよかったんじゃないかというんじゃあ、悲しいことだと思うのね。いったい、かけがえのないものってのがあるのか、ないのかって考えたんです。特に生きようとして生きられない人っているでしょ?それとか、もうダメだって宣言されてもギリギリまで生きようとする、そういう人に尊敬を感じることがあったもんですから…。

歌詞を英訳して向こうのメンバーに見せたら、ミュージシャンの人達ってのは自分のオリジナルティーを常に自分に対して突きつけてる人達でしょ、だからこの「永久欠番」って言葉には非常に敏感に反応してくれましたね。

 

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