自殺する若い女がこの月だけ急に増える!中島みゆき「十二月」には辛辣な幻の2番の歌詞があった

 

自殺する若い女が12月だけ急に増える!!!!!

自殺する若い女がこの月だけ急に増える!中島みゆき「十二月」には辛辣な幻の2番の歌詞があった

・中島みゆき「ご乱心時代」の終わりとオリジナルアルバム「グッバイガール」
・「愛よりも」の悪を推奨する衝撃的な歌詞
・自殺する若い女が急に増えるという「十二月」の歌詞
・なんと「十二月」にはカットされた幻の2番の歌詞があった!
・CDに収録されなかった「十二月」の幻の歌詞一覧
・「十二月」の幻の2番の歌詞を今はもう誰も聞けない

・中島みゆき「ご乱心時代」の終わりとオリジナルアルバム「グッバイガール」

数多くある中島みゆきのオリジナルアルバムの中でも、ぼくのお気に入りのひとつは「グッバイガール」というアルバムだ。「グッバイガール」は1988年に発売された中島みゆき16枚目のオリジナルアルバム。1988年以降ずっとアレンジとプロデュースを任されることとなる瀬尾一三さんとの最初のアルバムでもある。

瀬尾一三さんと出会うまでの中島みゆきは自分の表現したい音楽を追求するといういわゆる「ご乱心時代」にあたり、80年代後半の中島みゆき「ご乱心時代」は、瀬尾一三さんと出会い「グッバイガール」の発売をもって終了した感がある。瀬尾一三さんという良き理解者の音楽的パートナーと巡り会えたことによって、中島みゆきは自らが表現したい音楽を見出し、それ以降は自分の音楽的模索というよりは、瀬尾一三さんによる編曲を信頼しその安定した音楽的土壌において、次々と画期的で刺激的で創造的な音楽作品を次々つ生み出す。

「ご乱心時代」における自分自身の音楽性を追求するというその探究心も興味深く目を見張るものがあるが、やはり模索していく中で次々と実験や新しいことに挑戦していこうとするのは、その挑戦の方に体力や気力が集中してしまい、肝心の歌そのものを熟成させるという観点から言えばやはり物足りない部分はあったのかもしれない。十分な才能と創造力を極限にまで発揮するためには、やはり安定した土壌が必要だったのではないだろうか。

その安定した音楽的土壌としての瀬尾一三さんに運命的に巡り会った中島みゆきは、信頼できる音楽的パートナーと共に目まぐるしい活躍をすることとなる。商業的に成功したのはもちろんのこと、それ以上に最も重要なことは、アルバムやコンサートや夜会を通して、音楽的創造力を最大限に高めて常に持続してきたことにあるのではないだろうか。同世代のアーティストが若い頃に持っていた創造力や歌唱力を枯渇させていく中で、中島みゆきだけは常に進化し続けていると感じられる。

 

 

・「愛よりも」の悪を推奨する衝撃的な歌詞

瀬尾一三さんとの初めてのオリジナルアルバム「グッバイガール」は、安定した音楽的パートナーを迎え入れてから最初のアルバムだとはいうものの、その内容は決して安定した安らかな世界を描き出しているものではない。どちらかというと荒々しく、やさぐれており、反抗し、抗い、挑発的な楽曲が多いことも特徴だ。先日は「グッバイガール」の中の「愛よりも」について紹介したが、この曲もかなり刺激的で衝撃的だ。

嘘をつきなさい 物を盗りなさい
悪人になり
傷をつけなさい 春を売りなさい
悪人になり

救いなど待つよりも罪は軽い

これほどまでに真正面から悪を推奨している楽曲を、ぼくは「愛よりも」の他に知らない。一体なぜ中島みゆきは「愛よりも」においてこれほどまでに悪事を推奨しているのだろうか、その考察を以下の記事で紹介した。

嘘をつきなさい物を盗りなさい!中島みゆき「愛よりも」はなぜ悪を推奨しているのか

 

・自殺する若い女が急に増えるという「十二月」の歌詞

「グッバイガール」の中の衝撃的な楽曲はこれだけではない。なんと自殺する女性の歌まで出てくるというのだから驚きだ。その衝撃的な楽曲「十二月」の冒頭は、こんな歌詞から始まる。

自殺する若い女が この月にだけ急に増える
それぞれに男たち 急に正気に返るシーズン
大都会の薬屋では睡眠薬が売り切れる
なけなしのテレビでは家族たちが笑っている

何万人の女たちが私は違うと思いながら
何万人の女たちと同じと気がついてしまう月

人の叫びも 鵙の叫びも 風の叫びも 笛の叫びも
みんな似ている みんな似ている

人恋しと泣け十二月

「自殺する若い女が この月にだけ急に増える」という冒頭の歌詞からして衝撃的だが、迫真に迫るアレンジがさらにこの楽曲の深刻さを伝えている。2番では

飾り澄ました街中を 赤い光が駆け抜ける
付き添いの誰もない女たち運ばれて行く

という風に、自殺した孤独な女性たちが救急車に乗って運ばれていく様子が描き出されている。

 

 

・なんと「十二月」にはカットされた幻の2番の歌詞があった!

さて「グッバイガール」に収録されている「十二月」は、1番、2番、そしてサビの繰り返しの3番で終わるのだが、実は本当の「十二月」はこのような構成ではなかったという。なんと収録されている1番と2番の間には、幻の2番の歌詞が存在していたというのだ!

つまり本来「十二月」は、1番、2番、3番、4番で完成された楽曲だったが、その2番の歌詞があまりにも辛辣すぎたためにCDに収録されることはなくなり、結局本来の3番が2番となり、今現在発表されている「十二月」になったというわけだ。

では本来あった幻の2番が誰も聞けないのかというと、そういうわけでもなかった。なんと中島みゆきは1997年のコンサート「パラダイス・カフェ」で、「グッバイガール」ではカットされた幻の2番の歌詞を含むフルバージョンを披露したのだった!その幻の歌詞は以下の通り。

 

 

・CDに収録されなかった「十二月」の幻の2番の歌詞

誰を責めるつもりもない
誰に語るつもりもない
横たわる口元は周到な愛を笑っている

膝を抱えた掌が力尽きて凍えていく
開かれたアドレスは連絡先はひとつもない

何万人の女たちが私は違うと思いながら
何万人の女たちと同じと気がついてしまう月

人の叫びも 鵙の叫びも 風の叫びも 笛の叫びも
みんな似ている みんな似ている
人恋しと泣け十二月

 

・「十二月」の幻の2番の歌詞を今はもう誰も聞けない

もちろんこの幻の2番の歌詞は「パラダイス・カフェ」のコンサートでしか披露されておらず、今現在公式にこの歌詞を歌う中島みゆきの音源を聞くことはできない。稀にインターネット上で誰かが録音した「パラダイス・カフェ」の音源としてこの幻の2番を聞く機会もあるかもしれないが、それは神様のみ知る巡り会わせとなることだろう。

 

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