あなたのいない世界
もしもたったひとりの 運命の人に巡り会えたとして その人と結ばれなかったなら ぼくたちは旅に出るしかない 神様に問うしかなかった どうしてぼくはこんな風に生まれたの なにひとつ答えてはくれなかった 普通に生…
もしもたったひとりの 運命の人に巡り会えたとして その人と結ばれなかったなら ぼくたちは旅に出るしかない 神様に問うしかなかった どうしてぼくはこんな風に生まれたの なにひとつ答えてはくれなかった 普通に生…
ぼくたちが男と女だったなら 何ひとつ迷うことなく事は進んだ 抱きしめ合うことも キスをすることも おかしいと葛藤しながらも 突き動かされる定めがあった まともじゃないと苦悩しながらも 抗い切れない衝動があっ…
ぼくを否定するものを ぼくから遠ざけなければならない それだけが大切なぼくを護るための たったひとつの方法だった けれど世界はぼくを否定していた それがぼくの生まれた時からの定めだった この先を生き残るため…
醜くて穢れた鳥たちが ぼくの死ぬのを岸辺で待っている 朽ち果てた肉体を喰らうことでしか 生きられない不吉さを物語っている もっと遅く死ぬはずだったのにと 人々は嘆いては悲しむけれど 誰もそんな約束をしていな…
きちんと愛されていたのに どうして不良品になったの 欠乏しているものなんてないと 天が教えてくれるけれど 人間たちが語り出す 欠けているものがどこかにあると 些細な言葉が傷つける 指さすものが近くにあると …
大陸の果てへと辿り着いても あなたへは辿り着かない あらゆる世界の果てを彷徨っても あなたには巡り会わない 幻だったのだろうか ぼくを愛していると告げる声 たとえ夢だったとしても この一生で触れ合えたことが…
老いたなら負けだと声がする 病んだなら負けだと声がする 死んだなら負けだと声がする 口には出さなくても誰もが心で嘲笑う されどぼくたちは必ず老いるだろう ぼくたちは必ず病むだろう ぼくたちは必ず死ぬだろう …
ぼくたちが異なる少年だと 一体誰が決めたのだろう 隠された秘密の果実を確かめ合えば ぼくたちは何もかもが同じだった 同じように天を貫くほどに聳え 同じような脈動を繰り返した 同じように先端を濡らし合って 同…
南の島に落としてきた魂が いつまでも迎えを待っている 引き裂かれた運命を背負いながら 生きるべき彼方を眺めている 2人にしか知らされない愛が もしもこの世にあるのなら 決して誰にも穢されないために 海は静か…
底知れぬ悲しみが あなたにもあるだろうか 絶えることのない涙が その胸を伝うだろうか 誰のせいにもできない 憂いをぶつけるあてもない この悲しみの根を辿れば 私が生まれてきたことへと行き着く 今、ここに、い…