傷を負った者たちへ
傷を負った者たちは 永遠に憶え続けるだろう 愚かな法律を退けて 虚しい時を打ち破って 傷に時が流れないことを 彼らは誇りに思うだろう 永遠をまとった傷口を 遠い彼方であなたに見せよう 傷をつけ…
傷を負った者たちは 永遠に憶え続けるだろう 愚かな法律を退けて 虚しい時を打ち破って 傷に時が流れないことを 彼らは誇りに思うだろう 永遠をまとった傷口を 遠い彼方であなたに見せよう 傷をつけ…
ぼくが少年でなくなったとき ぼくはこの世から消えるだろう 砕け散る硝子の城が 胸を突き刺して銀河を終える 時の流れを堰き止めた 淡い光の満ちる春の夢の中で 生まれる前からの子守唄を聞きながら …
美しい水はどこから来るの お山の最も深くには誰が住むの あなたが清らかな水を送り続けているの あらゆる生命を巡ってゆく眼差し たったひとつのみなもとを辿って ぼくたちの魂は旅を続ける かけがえ…
あなたの一番好きな食べ物は何ですか? ぼくの一番好きな食べ物は桃 ・好きな食べ物は桃 「好きな食べ物は何?」と人から聞かれると、ぼくは即座に「桃!」と答える。ぼくは桃が大好きだ。それも自分で買ってきて自分で…
早くたどり着きたいわけじゃない 終わらないでと願うわけでもない ただ荒野の中を歩いていく それだけが吹き荒ぶ風の中の理り 前へと足を進めるしかない 後ろへと戻ることはできない まるで生きていく…
ぼくはぼくを愛している 誰よりもぼくを愛している あの人がぼくを愛していると告げようと ぼくはもっとぼくを愛している この生命の根源に確かに感じる 赤く透明な色をした絶え間ない炎が 永遠を貫いてぼくを焼き尽…
巡礼の道はわたしを掘る道 深く深く過去へと下りゆき 不意によみがえる思い出 わたしが忘れたわたしを知る 生まれたてのあの頃 いったい何があったの 生まれる前の時代 きっと何かあったの わたしが忘れ去ったわた…
「俺に合わせなくていいんだよ」と 優しくかける言葉の裏側には いつだって本心が透けて見えていた 「俺はお前に合わせる気はないからね」と 人を傷つけないように 繊細に振る舞うのは畢竟 自分自身が…
ぼくたちは巡礼という現象 一体となった蠢く流動体が たったひとつの軌道を辿って 聖地へと流れ込む祈りの河水 ぼくの祈りは もはやぼくだけのものではなく あなたの心は もはやあなただけのものでは…
世界のあらゆる道が 巡礼の道だというのなら ぼくたちの旅は終わらない 祈りを絶やすことはできない どこからどこまでが心で どこからどこまでが祈りか 何から何までが生命で 何から何までが巡礼か …