生命の季節
この世に生まれ落ちたはじめての冬 あらゆる大自然は深く息を潜めて すべての大地は白銀と青に染められ 世界は終わりを告げたのだと悟った それなのに春がもう一度訪れることを知った 季節は円を描き巡…
この世に生まれ落ちたはじめての冬 あらゆる大自然は深く息を潜めて すべての大地は白銀と青に染められ 世界は終わりを告げたのだと悟った それなのに春がもう一度訪れることを知った 季節は円を描き巡…
夜の火車駅はむき出しの心が隠れ住む 昼間にはこの世にたどり着けなかった思いが 寂しさという温度を連れ込んで やがて暗闇の線路へと発進する どこへと流れ着くのだろうか 知っているのに誰もが不安に…
凍りつく瞳が見つめる先に 美しい風があるのだと信じていた この世のものとも思えない天空が 心の宝石の光を通り過ぎる 地図のない道を走り抜けた 聞きわけぬ言葉が熱を帯びた 見知らぬ民族が土を踏ん…
おそれを脱ぎ捨て 天空へとつながれ ぼくたちが植え付けられたものたちは ぼくたちを祝福しはしない 他人により植えつけられたものたち どうしようもなかった襲来を憂うまい 自分により植えつけたもの…
天の瞳はふたつではない 天の瞳は無数にある それがこの地球上に散りばめられて 人の手の届かぬ異郷に隠されている ぼくたちは見つけるだろうか 秘密という氷に見定められた記憶を ぼくたちはゆるされ…