ナイフ
人は誰も掌にナイフを持っている 彼らはそれとは気づかなくても 生きているだけで世界を切り裂く 分裂された世界で誰かを傷つける ぼくたちの生命の正体は善良か ただ切り裂くための悪魔か 誰もが自分を愛しているか…
人は誰も掌にナイフを持っている 彼らはそれとは気づかなくても 生きているだけで世界を切り裂く 分裂された世界で誰かを傷つける ぼくたちの生命の正体は善良か ただ切り裂くための悪魔か 誰もが自分を愛しているか…
この世でどんなに偉大な 旅の出離を果たしても 誕生の瞬間ほどの 天地の返る旅立ちはないだろう ぼくたちの旅立ちは 常に微小だ おそれることはない ひるむことはない どんな異国へ赴いても 異なる言葉が響いても…
“世界の場所を教える地図は誰でも自分が真ん中だと言い張る” 中島みゆき自身が「EAST ASIA」について語ったこと ・東洋的なEAST ASIAの世界 1992年に発売された中島みゆきの20枚目のオリジナ…
氷を踏んで生きて来たのに 突如氷を踏めなくなる時を知る 滑ったことも落ちぶれたことも悲しかったことも それすら愛おしく思う日が来る 氷を踏んで生きることを 虚しく思う日もあったのに どんなにか…
流氷はロシアの落とした氷の涙 それをはるかなる北の大地が受け止める 夢のように敷き詰められた氷原は 美しいロシアへとつながっていく 悲しみを誰かに受け止められたなら 悲しみも少しは軽くなる そ…
ひとつずつの、そしてひとつの。 中島みゆき夜会の全作品あらすじ、曲目、クライマックスを徹底解説!夜会の心に響く言葉たち 中島みゆき自身が夜会テーマ曲「二隻の舟」について語ったこと ・「二隻の舟」は夜会のテー…
美しくないことをおそれない 不整であることに怯えない まともになることのできない 人生に救いをあげたい ねぇあなたもそうでしょう 闇の中ひとり俯いているのでしょう 決して正常になれない命を 抱…
生きている限り 命は常に傾いている 右へ行くか左へ行くか 天を飛ぶか地を這うか 鼓動を打つ限り 命はどちらかを選んでいる 男を取るか女を取るか 昼に住むか夜に住むか ぼくがぼくを愛することが …
与えられるはずのない 定めを引き受け旅は始まる 失くすはずのないものを 喪失しながら旅を継ぐ どうしようもなく悲しい心を 歩ませるのは学問ではなく どうしようもなく痛む傷を 忘れさせるのは習わ…
どうでもいい出来事に 絡まって動けない浮世は蜘蛛の糸 抜け出せばたちまちに おそろしい怪獣が食いちぎる そんな呪いの言葉を真に受けて 動けずにいた小動物の群れ 迷える魂を支配しているのはいつも 怯えて生きて…