青き故郷
貧しくなりたい 愚かになりたい 何もかもを失くした 魂の放浪者になりたい 青色の衣ひとつを ただ持つだけの人になり その布の揺らぎさえ いつかは失う定めであるよ ああ美しい光よ 持っていた頃には かすかにし…
貧しくなりたい 愚かになりたい 何もかもを失くした 魂の放浪者になりたい 青色の衣ひとつを ただ持つだけの人になり その布の揺らぎさえ いつかは失う定めであるよ ああ美しい光よ 持っていた頃には かすかにし…
誰もがそれを隠しているけれど 誰もがそれを持つことを知っている それがふと露わになったとき ぼくたちはゆるしあい笑いあう 君もぼくと同じように はりさけそうに膨らむんだね そしてぼくと同じように 春の光の中…
祈るしかなかったもの すがるしかなかったもの 悲しみの果てに集い合え どうしようもなく 神々の多く宿る町を ぼくは愛する 悲しみの果てにしか見えぬ景色を 彼らは見ている どうしようもなく 与えられる定めに …
人の祈りは儚い 土の近くにあるささやかな祈りほど 人や獣に踏みつけられて終わるのだろう けれども人は 朝になればまた祈りの花を置く いつまでも、いつまでも花を置く …
もっと触ってよ ぼくの果実を 君にしか触らせない 大好きだよずっと 君の肌に触れただけで 秘密の果実は潤うのに 君に触られでもしたら すぐに滴らせてしまいそう 君が初めて触るんだよ とても優しく撫でるから …
幸福は他でもない ぼくの果実の中にある 出したいのに出せない若さの中に 嬉しさと力が込み上げる 放ってしまった快楽に 誰もが夢中になっている 宿すものを保つ中にある もどかしい夢を退けながら …
青色の衣ひとつだけをまとい 新しい水へと足を浸そう 神聖な熱を創り出した後には 自らの手でそれをこわして 美しいものほど この世にのこることはない 真理の光ほど 遠ざかり見えなくなるから ぼくは自らを旅立た…