世界の巡礼

 

 

私は異国を旅していると思っていた
けれど真実、私は巡礼をしていた
世界中の神々に出会うために
私はこの肉体を祖国から断ち切った

もはや私が大人ではなくなり
もはや私が人間ではなくなる時
神々は私の前に立ち現れるだろう
異国では誰もが、何もできない少年に帰る

いつかこの肉体が若さを失い
いつかこの肉体が肉体ではなくなっても
少年へと帰る術を覚えておこう
純粋な魂が、巡礼を引き継いでゆく

孤独になることを恐れていた
去りゆくものを喪失だと嘆いていた
与えれば与えるほどに満たされる矛盾を
感受するための羅針盤が今、研ぎ澄まされる

滅ぼされた魂は救いを求めていた
けれど私には肉体が存在していた
それならば巡礼しか残された道はない
肉体の聖なる行動が、魂へと直感を送り続けている

 

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