巡礼の閃光

 

 

早くたどり着きたいわけじゃない
終わらないでと願うわけでもない
ただ荒野の中を歩いていく
それだけが吹き荒ぶ風の中の理り

前へと足を進めるしかない
後ろへと戻ることはできない
まるで生きていく時間の川のように
巡礼の足は運命を携える

歩いて行くたびに赤子へと帰る者たち
その赤子はぼくたちの過去の姿か
それとも終わり切った未来の姿か
星の野原に横たわる無垢な魂

過去へと帰れる道はなく
未来へ渡れる橋もなく
ただ目の前の荒野を歩くだけ
時の谷間を突き抜けて行く

聖域へと進みゆく足取りは
胎内へと辿り着く銀河の通路
生きていることと死んでいることが共に歩み寄る
真空の中の果てしない閃光

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ