夢の中でぼくはまだ巡礼の道を歩いている

 

 

夢の中まだ歩いている
聖なるあの道を歩いている
決して消えることのない面影
夏の光が記憶の底を焼いて刻む

果てしないという言葉を
ぼくは今まで知らなかったんだ
そう感じさせる1本の道
曲がりくねったり直線だったりして

水が光と踊って魂をうるおす
風が麦をはらって海でもないのに波を生む
言葉の通じない異国の人々の笑い声
木漏れ日の静けさが安らかな眠りを誘う

背に負った重き荷は定めの化身
この魂から決して取り除かれることのない呪い
揺るぎない炎を身にまとい乗り越えても
次々と襲ってくる苦海の闇の塊

ブエン・カミーノと呼び合いながら
交わるはずのない運命たちに導かれていく
サンティアゴはこの世にない幻の都
ぼくたちはたどり着かないために生きている

(夢を叶えようと誰かが燃えていた
目的を果たそうと突き進む人がいた
みんなどこかへ消えてしまった
偽物につられて足を踏み外した)

聖なる道はたどり着かないための道
本当に美しいものにはたどり着けない
真に神々しいものには触れられない
叶わない恋だけが魂を永遠へと沈めた

 

 

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