あなたを愛し始めた時から
もうすでに愛されたいと願ってしまった
ぼくたちは愛するだけでは足らない生き物
同じ量だけ愛されなければ気が済まない
自分から勝手に好きになったのに
どうして同じ分だけ愛されると信じられたの
自分が好きになるだけでは終わらずに
なぜ相手にまで愛することを期待するの
ぼくがあなたを好きになったことが
ふたりを傷つけたんじゃない
ぼくがあなたに愛されたいと願ったことが
ふたりを遠くへ引き裂いてしまった
なぜあなたを愛しただけで終われなかったんだろう
なぜ見返りに愛されることを望んだのだろう
愛したのならば愛されたいと願うことが当然だと
ぼくたちはいつしか思い込まされていた
あなたを愛したのならばあなたの幸せを願うはずだった
あなたが幸せになればぼくも幸せになれるはずだった
それなのにあなたが幸せになったことで
ぼくは地獄へと突き落とされあなたを恨んだ
鏡の中の自分の姿のように
愛した分だけ愛してくれる人はこの世にない
異なる人々はそれぞれに心を持ち
そのひとつとして同じ色彩を呈しはしない
叶うはずのない願いを抱き続けながら
いつまでそれを愛だと信じられるのだろう
あなたの幸せの中にぼくがいないのなら
あなたの幸せなんて壊れてしまえと呪いをかけた