あなたといてもぼくは
決して幸せにはなれなかった
人は幸せへと向かっていく生き物
それなのにどうしてあなたを目指していたの
ゆるされないことたちが
この世には多すぎて怖かった
本当のぼくを見せても
逃げないでいるのはあなただけだった
あなたと同じぼくの肉体は
あなたを満たすには足りなかった
けれどあなたと同じ果実を触り合い
青く鼓動したふたつの熱を覚えている
おそるおそる好きだとつぶやいた
嘘のようにキスして抱き合った
おそれを乗り越えて濡れた果実を慈しんだ
愛しているとまっすぐに見つめ合った
幸せにはなれない運命とわかっていても
ぼくはあなたと一緒にいたかった
宝石ではなく苦しみへと立ち向かう魂が
本当の愛の色彩を伝えていた