〜上流〜

 

 

どんなに穢れた浮世であっても
上流は常に清らかで美しい
奥深い森林に護られた精霊たちが
人の魂が帰り着くのを待っている

世渡りばかりに気を取られて
直感を祀ることを忘れていた
他人の目や空気ばかりに怯えて
自分を大切にすることを恐れた

究極的にはぼくしかいないこの世界で
進むべき道もう既に決まっている
究極的にはぼくしかいないこの世界が
深山幽谷の聖域にひとり佇めば見える

あの山々のはるか彼方には
天空の都が聳え立っている
永遠に生きるその人を慕って
仏たちの怪しき呪文が鳴り響く

畏れるべきものを間違ってはならない
疑うべきものを誤ってはならない
手放すべきものを憂いなく手放したなら
ただ孤独に虚空への飛翔を果たそう

 

 

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