ぼくたちの肉体

 

 

あなたの肉体の熱さを覚えている
あなたの果実の脈拍がこの肉体に刻み込まれ
ぼくたちは魂を持つ者 それなのに
ただ肉体だけに支配されながら青い春に苛まれた

男は肉体を見ることで果実を高ぶらせるという
けれどぼくはあなたの肉体に興味がなかった
若く健やかな果実の奥に宿るあなたの燃える魂が
ぼくの魂と交わることでぼくの果実は濡れていった

ぼくたちはやがて言葉を交わし合った
けれどそれだけでは終わらないと信じていた
何かに突き動かされるようにして疑わず
誰にも触らせたことのない肉体を分かち合った

あなたは男の魂を持つ者 それなのに
なぜあなたの果実さえ天に向かい震えていたのだろう
あなたの見つめた先にあるこの肉体には
あなたの求めるものなど何ひとつなかったというのに

ぼくたちが互いに抱きしめ合っている間
ふたつの果実は同じ形をして燃えていた
ぼくたちの肉体はすぐに滅び消えるだろう それでも
ふたつのあの熱はいつまでも残存する

 

 

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