少年たちの発情の秘密

 

 

少年ならば誰もが知っている
たった1本のビデオで一生を過ごせと言われたならば
とてつもなく退屈な毎日が横たわり
濃厚な青い液体さえ色褪せてしまうこと

少年の肉体ならば誰もが同意する
たった1人の映像でこの先をやり過ごせと言われたならば
どうしようもなくつまらない日々を繰り返し
生き甲斐さえ奪い取られかねないということ

男はたくさんの肉体を試してみたい
男は様々な状況に発情したい
男は数え切れない心へ移り変わりたい
男は解き放つ先を限りなく取り替えていきたい

たとえ昨日ひどく夢中になった肉体が
今日目の前に横たわっていたとしても
見向きもしないでどこかに新しい肉体を
むさぼるように求めることもあるだろう

少年の肉体を持っていれば誰もが知っている秘密
人間の半分が知っている秘密とさえ言えない秘密
それなのにこの世界はどうして
結ばれるたったひとりをさがせと言うのだろう

あれはすべて嘘だったのだろうか
何の意味もない洗脳だったのだろうか
恋人とか結婚とかいう習わしでは
少年たちの秘密の性質を抑え込むことはできない

あの人のたったひとりになりたいと泣いていた
けれどあの人は女の肉体へと立ち去って行った
それはあの人が昨日と今日で
見るべきビデオを取り替えただけのことだろうか

たったひとりを見つけ出さなければならないという植え付けが
どれほどぼくを苦しめていたことだろう
それでもまだたったひとりに
巡り会いたいと願うのは愚かなことだろうか

少年たちが永遠に同じビデオを見ることはない
たちどころに飽きて別の肉体へと興奮を始める
それなのに永遠の愛をさがし求めるべきだろうか
ぼくも少年の肉体を持て余しているというのに

 

 

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