上村謙信が解雇!繊細で美しいBLドラマ未成年の終わり方が斜め上で衝撃的すぎた

 

BLドラマ未成年の終わり方が衝撃的だった!!!!!

上村謙信が解雇!繊細で美しいBLドラマ未成年の終わり方が斜め上で衝撃的すぎた

・「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」との出会い
・「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」のあらすじ
・同性愛者の初恋の不安定さを感じられるドラマ未成年の世界
・運命の人と再会した時に人はどうなるのか、ドラマ未成年が教えてくれる
・出演俳優・上村謙信のコンプラ違反による引退でドラマ未成年は儚く強制終了した

・「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」との出会い

最近は男子同士の恋愛模様を描いたBLドラマや映画が多数作られ、量産されていると言っても過言ではない状況のようだが、クオリティーにかなり差があり面白いと思える作品がほとんどないためそんなに興味を持っていなかった。それでも男子同士の恋愛を経験する当事者として少しくらいはアンテナを張っていて、本当に見応えがありそうだと直感で感じる作品だけはチェックしているというような感じだった。

去年前半に見た中で唯一面白かったのは「美しい彼」というBLドラマで、極端な設定とスピーディーな展開が迫力あって見入ってしまったが、それ以降は全くドラマを見ていない状況だった。そんな中、去年の暮れにSNSで「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」というドラマのワンシーンが流れてきて、その映像と音楽の組み合わせがとても美しかったので最初から見始めたところ、ドラマをリアルタイムで追うほどこれからの展開が気になってしまった。

”未熟な俺たちは不器用に進行中”という長い副題がいかにもダサくてあんまり面白くなさそうに思えてしまうが、実際は高校生の初恋を瑞々しく描いたとても繊細で美しいドラマで、自分自身の男子同士の恋愛経験と重なるところもあって感情移入もできる特別で素晴らしい作品だった。

 

 

・「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」のあらすじ

「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」では、高校のクラスメートである成績優秀な優等生・水無瀬仁と不良で問題児の蛭川晴喜との初恋の恋愛模様が描かれている。優等生と問題児という、同じクラス内でも全く関わりのなかった2人の運命が、蛭川が父親から家庭内暴力を受けているという秘密を偶然共有したことから交わり出し、男同士で恋愛するという同性愛の経験に戸惑いながらも次第に結ばれていく。

しかし蛭川の父親の死をきっかけに、自分の存在が水無瀬の負担や迷惑になると考えた蛭川は「もう連絡しない」と言い放ち、転校して水無瀬の前から姿を消してしまった。そのまま2人は高校を卒業して大学生になるが、お互いがお互いの存在を忘れられないままだった。最終的には大学時代に再会を果たし、昔からずっと今も好きだと告白し合いようやく本当に結ばれるという結末になっていた。

アフターストーリーでは社会人になり同棲している2人の姿も描かれ、社会の中で違和感を覚えながらも生き抜いていく同性愛者のリアルな姿が描かれている。

 

・同性愛者の初恋の不安定さを感じられるドラマ未成年の世界

ぼくが「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」で好きだったのは、男が男を好きになるという通常の恋とは異なる複雑なザラザラした心の違和感が丁寧に描かれていることだった。例えば水無瀬の部屋で初めて2人がキスするシーン(第2話)の会話は次のようなものだった。

蛭川「水無瀬、キスしたことある?」
水無瀬「え…ない…」
蛭川「俺も…ない………してみる?」
水無瀬「…俺のこと好きなの?」
蛭川「それは飛躍しすぎでしょ」
水無瀬「じゃあやってみろよ、どうせできないだろ」
蛭川「…お前が言ったんだからな(キスする)」
水無瀬「…お前、おかしいよ」
蛭川「うん、おかしくてごめん」

初めてキスをするたどたどしさはどのような恋愛でも同じかもしれないが、「…お前、おかしいよ」「うん、おかしくてごめん」というキスの後の会話は、男と女の間では起こらないかもしれないと思うと少し胸が痛い。翌日の高校のトイレでの2人の会話(第3話)も印象的。

水無瀬「お前さ、俺のこと好きなの?」
蛭川「は?男同士でそれはないでしょ」
水無瀬「男同士でキスはいいのかよ?」
蛭川「キスと好きは別じゃない?」
水無瀬「好きでもない奴とキスして平気なわけ?」
蛭川「じゃあお前は?そんなに嫌だった?」

男同士で好きになるのはおかしいという常識的に思える会話と、男同士でキスをしているという行動が完全に矛盾しているのが面白い。まさに言っていることとやっていることが違うという好例だが、男が男を好きになる時にはこのような矛盾が常に付きまとうことになる。

同性愛者は異常じゃない!男が男を好きになることは、異常で気持ち悪くて変態的だというのは本当か?

男が男を好きになるという社会的、常識的なもどかしく切ない違和感は、第4話の会話の中でも示されている。

蛭川「もう許してくれる?」
水無瀬「何を?」
蛭川「俺、お前のこと好きになったりしないから。男同士…でしょ?だから俺から離れていかないで」

男同士が恋愛するというのはおかしいという社会的な常識に縛られて第3話の最後の場面では「もうキスなんかしないから、だから許して」、第4話の冒頭では「俺、お前のこと好きになったりしないから」と水無瀬に約束した蛭川なのに、第4話全体ではそんな約束も完全に忘れて6回もキスしているのがもはやネタのようで面白い。

しかしこれはたとえ頭や理性や常識では男が男を好きになってはならないとどんなにわかっていたとしても、真実の恋に落ちてしまえば人はそんな偽物の理解を吹き飛ばして、性別という浅はかで下らない境界線を超越してでも、好きな人へと本能的・直感的に突き進んでしまうしかない定めにあることを暗示している。男が男を好きになってはならないという常識的な思考に、好きになってしまった心や体が引き起こす行動が支配されることはなく、その衝動こそが真実の恋と呼ぶべきものだとぼくたちは知ることになる。

第5話で同性愛の映画を鑑賞した後の2人の会話は、ぼくがこのドラマで最も好きなシーンだ。

水無瀬「俺たちって…同性愛者…なのかな?」
蛭川「ん?」
水無瀬「映画で見た2人と、俺たち、あんまり変わらないような気がした」
蛭川「ほー…(嬉しそうに)今俺のこと好きって言った?」
水無瀬「そういうことじゃなくて…もうやっぱいい(呆れ顔)」

いい成績を収めて、いい大学に入って、いい企業に就職してというレールに乗った人生を思い描いている優等生の水無瀬にとって、同性愛という通常の安全な軌道を外れた恋愛は不安に満ちた戸惑いの多いものだったに違いない。そんな悩みや恐ろしさを破天荒な問題児である蛭川は真剣に受け止めず、逆に自分たちは同性愛者かもしれないと告げられることで、水無瀬が蛭川と恋愛をしていたり好意を持っていることの証拠のように感じて嬉しく思うのだった。2人の対照的な性格がよく表現されており、同性愛者として生きていくことの不安から来る恐怖心と、そんな恐怖は不要だという気軽な軽やかさの両方が感じられて同性愛者として味わい深いシーンだ。

 

 

・運命の人と再会した時に人はどうなるのか、ドラマ未成年が教えてくれる

結局高校時代に離れ離れになってしまって大学に進学した後も、水無瀬は蛭川のことを、蛭川は水無瀬のことを忘れられずひたすらにずっと思い続けていた。そのような相手を、ぼくたちは”運命の人”と呼ぶのだろう。普通の人生ならばどんなに運命の人と思い合っていたとしても、一旦別れてしまった相手ならば再び会うことの叶わない場合がほとんどだろうが、これはドラマなので大学時代になって2人は奇跡的に(もしくは必然的に?)再会する。

引き裂かれるようにして離れ離れになってしまった運命の相手と再会する時、人はどんな風になるのだろうか。どんな顔をするのだろうか。どんな声になるのだろうか。どんな会話をするのだろうか。その答えのひとつを「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」は語っている。

運命の人

二度と再会できないけれど忘れられない運命の人がいる時に聞きたい宇多田ヒカルの切ない5曲

高校時代はどちらかというと蛭川の方が積極的に水無瀬を追いかけているようで、水無瀬は受け身な印象だったが、大学生になり時が経つにつれ水無瀬の方が思いが深くなったらしく、2人が大学時代に再会できた時も水無瀬は感動と驚きのあまり言葉がしっかり出ないようだった。だけどずっと思い続けていた運命の人と思わずまた巡り会うことができたら、人間はきっとこうなってしまうのだろうと思わず納得してしまうような素晴らしい演技だった。

とてつもなく広い海で
逸れた魚が仲間に再会できる確率は
どれほどのものなのだろう

君の海とぼくの海はきっとどこかで繋がっている
今もそう 信じている

最終回では蛭川が水無瀬を迎えに行くのだが、ずっと思い続けていた運命の相手が迎えに来てくれたならば確かに誰もがこうなってしまうかもしれないと信じてしまうほどの神秘的で美しい涙を、水無瀬が流した場面をぼくは忘れることができない。誰もが心の中に大切な運命の人を持ち、その人とは二度と巡り会うことができない人生の多い中で、運命の相手との幻想的な再会を美しく表現したこの作品は深くぼくの心に刻み込まれることになった。同性愛や異性愛関係なく”忘れられない運命の人”がいる人は、本当にこの「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」を見てほしい。

 

 

・出演俳優・上村謙信のコンプラ違反による引退でドラマ未成年は儚く強制終了した

最近のドラマは宣伝も巧妙で、水無瀬仁役の本島純政と蛭川晴喜役の上村謙信がインスタライブを開き、オンライン上で視聴者と一緒にドラマを鑑賞するという企画が何度も開催されていた(アーカイブはインスタやYouTubeなどに残っている)。インスタライブでの2人はとても仲良さそうに一緒にドラマを鑑賞し、その反応も楽しかったので評判も上々だったようだ。東京や大阪などの各都市でドラマのポップアップショップが開催されたり、日本の雑誌のみならず数々の中国雑誌でも特集されたりして、2人は次第にグローバルな活躍を見せるようになっていった。ドラマ未成年は今や世界中の人々から人気の作品となり、何と香港や台湾でもファンミーティングが開催されるほどになったらしい。

ドラマでは同級生だった2人だが本島純政君と上村謙信君は実際には5歳も年が離れており、インスタライブではお兄ちゃんと弟のような感じでワチャワチャし親密な仲の良さが伺えた。雑誌やインタビューでは2人でいつかディズニーランドに行きたいといつも語っていたが、先日香港のファンミーティングがあった際に何と2人で香港のディズニーランドへ行くことができたらしく、SNSで2人の様子がめちゃくちゃいっぱい流れてきた。香港でのファンミーティングも大成功を収めたようで、一緒にディズニーランドに行くという約束も果たせ、次はバンコクのファンミーティングもすぐ控えており、これからもドラマ未成年での活躍の場が広がるばかりだと思っていた矢先に、信じられないニュースが飛び込んできた。何と蛭川晴喜役の上村謙信が重大なコンプライアンス違反により、事務所を解雇されてしまったというのだ!

ええええぇそんなことってある?!つい先日まで元気そうに香港でファンミーティングもしていたのに…。コンプライアンス違反の詳細は一切書かれてらず、真相がわからないままぼくたちはおそらくもう二度と上村謙信君を見ることができないだろう。未成年はとてもいいドラマだったのに、もしかしたらDVDが発売中止になったりするのだろうか。純政君と2人で未成年シーズン2をやりたいとよくインタビューで語っていたのに、その願いは絶対に叶わないだろう。バンコクのファンミーティングも当然キャンセルだ。さっきまで未成年でグローバルに大活躍していたのにいきなり消されてしまうなんて、本当に人生って一寸先は闇、何が起こるか本当にわからないから不思議すぎる。

ドラマ未成年はその名の通り、同性愛者の初恋の儚さや危うさを繊細に描き切った素晴らしい作品だと感じたが、まさか本当の意味でのドラマの終わりが出演俳優の突然の引退による儚い強制終了だなんて誰が予想しただろうか。仲良しだった本島純政君と上村謙信君の微笑ましい絡みももう二度と見ることができないが、最後に2人の夢だったディズニーランドに行った後で未成年が終わるなんてドラマよりもドラマチックなような気がしてならない。

”初恋は儚いし、青春も儚い”

そんな事実をドラマ未成年は作品の内容すら超越して、出演俳優の人生を通してそのまま体当たりで伝えている、ある意味他に類を見ない凄まじいドラマになったのではないだろうか。ドラマ未成年の中の蛭川と全く同じように、上村謙信君も破天荒な問題児だったということだろうか。2人のインスタライブを見ている感じではその真逆の、しっかりしている真面目で誠実なお兄ちゃんという印象だったが、まぁ芸能人の本質なんて表面的な営業の顔からは推測しようもないだろう。

期待されていたシーズン2などの続編や国際的な活躍も全て白紙となり、止まらない怒涛の勢いの中で突如として強制終了してしまったドラマ未成年は、人間の未成年の心の不安定さや危うさを上村謙信の解雇を通して現実的に視聴者に突きつけたとてつもなく衝撃的な作品として、まさに伝説的なドラマになってしまったに違いない。

 

 

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