生きているのだからあなたに会いたい
いつかぼくたちのどちらかが先に死んで
どんなに切実に願っても会えなくなる日が
絶対に訪れてしまうというのなら
ふたりが生きているうちにぼくはあなたに会いたい
会えるのに会わないという時が終わりを告げ
会えないから会わないという運命の線路へと
やがて切り替わってしまうその前に
時が経てば忘れられると信じていた
けれどそんな噂はまやかしだと証明された
思いは永久(とこしえ)にぼくの核を貫き続け
一瞬たりとも炎が途絶えたことはなかった
運命の人ならばこの一生を超えても会えるだろうか
永遠の巡り会いの輪廻がぼくらには組み込まれているだろうか
けれど運命の人だとどうしてわかるのだろうか
ぼくだけが思い込んでいるだけの縁ではないだろうか
あの人の果実はさまざまな女の肉体の温度を知り
その度に我を失いながら青い液体を解き放つだろう
ぼくにはあの人に与えるべき肉体がなかった
ぼくがあの人に運命の人だと思われるはずなんてない