ぼくだけを見ていてくれたお父さんとお母さんが
ある時を境にすっかり変わってしまった
ぼくだけを愛してくれるはずだったのに
得体の知れない何か別のものを愛し始めた
ぼくは永遠に愛される運命じゃなかったんだ
それならばまるで永遠に愛するかのように
壮大すぎる溢れんばかりの愛情を
最初から注ぎ込まれない方がよかったのに
前のようにぼくだけを見てほしいと
幼すぎるぼくは泣くことしかできなかった
親たちはぼくの絶望と孤独を読まずに
ただただお兄ちゃんだからしっかりしなさいと叱った
ぼくだけのものだったお父さんとお母さんの心が
はるかに遠ざかり喪失されていく
どうして人はどうせすぐに失くしてしまうのに
尊い夢のような日々を与えられてしまうのだろう
ただぼくだけが愛されていた日々さえなければ
ぼくは何ひとつ悲しくなんかなかったのに
お父さんとお母さんが他人に夢中になったとしても
そういうものだと諦められたのに
愛された日々が愛されない心を狂わす
ぼくは愛されるべき存在なのだと
誰もが人生の最初に信じ込んだ後で
やがて人の心は移ろい見えなくなる
永遠なんて本当はなかったんだ
どんなに愛されても裏切られる運命が待つだけなんだ
ぼくたちは根源で愛された方が幸せだったのだろうか
もしも愛されなくなる裏切りが訪れると決まっているなら