この世の中を貪りたい
この生命を怒りで貫きたい
ぼくは果てしなく愚かになりたい
三毒に迷い込みながらすべてを終えたい
異国の穢れを取り祓われよ
祖国の清流で魂を洗い流して
何が祖国に属するものなのか
何が祖国に深まるものなのか
仏の道に従うことなかれ
異国の神を信じることなかれ
仏の道に反することで
ぼくたちは仏へと近づこう
信じるものを見間違わない
ぼくたちが求めるべきその道は
愚かなものを取り除いた先にあるものではなく
愚かな泥の中身そのもの
おそれることなく自らの手を
混沌の海へとさしのべて
あらゆる宇宙をまさぐったなら
その掌は清浄を掴み取るだろう
浮世が手放すべきだと噂するものたちを
大切に宝物のように抱え込んで
否定の雨に冷たく打たれながら
常世への旅立ちを果たそう
間違いで穢れてしまった手をかざし
混沌の宇宙に染められてしまった指を絡め
ぼくたちは愚かな快楽へと駆け出そう
大いなる掌がこの果実に触れるまで