ぼくたちは果実を祝福しよう
果実を満たす肉体が嬉しい
果実が生み出す青さの無限が愛しい
ぼくたちは果実の春に支配される
森の奥深くの秘密の泉のほとりに
少年はその肉体を横たえる
衣を失くしたまま光と風だけをまとう
恥じらいという呪いから解き放たれた
どんなに喪失してもまた生み出されることを
他でもない果実が教えてくれる
春を失っても命を落としても
やがてまた満たされる光を知っている
青い液体は少年の生命のみなもと
王のような万能感を少年は引き受ける
どんなに傷ついても決して朽ちない誇りが
ぼくの生きる道を照らしてゆく
ぼくには果実があってよかった
青い液体を生み出す果実は幸福だ
果実を持たないことは何も持たないことと同じだ
ぼくには果実があってよかった