少年たちの果実と根の国

 

 

今となってはあなたは遥か彼方
けれどぼくはそれを喪失だと厭わない
ぼくとあなたは同じ形をした少年だと
何度も何度も確かめ合ったから

ぼくとあなたは違う人間だった
それは確かにぼくたちを引き離した
違う人間なのに全て同じことを知った
それがぼくたちを根源で結びつけた

もはや肉体が別れてしまっても
魂まで遠ざかることはできない
あらゆる人間は同じ根で結ばれている
例えどんなに異なっているように見えても

ぼくたちを繋ぎ止める普遍は何だろうか
その根の名前を誰もが探しているのだろうか
やがて根の国へと舟を漕ぎ出そう
あなたに常世の予感が降り注ぐなら

魂を引き裂いたと思われた喪失は
この海原のたかがひとつの揺らぎだったのか
何もかもが根の国へ帰るというのに
何を痛んでいたのだろうと眠りにつく時が来る

 

 

 

 

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