あなたが結ばれたことを知っても
ぼくは平気でマンゴーを食べられる
照りつける黄色に染められた
雨季のシェムリアップの街角で
鮮やかな傘が仏の御頭にかざされて
黄金の寺院が夏の中に揺れる
ぼくは黄色の衣を着て
ジュゴンのいた日々を思い返す
あなたのことを歌わなくなって
どれほどの時が流れたのだろう
それなのにあなたは生き続け
幸せに向かって歩いて来たのね
ぼくのことを覚えていますか
今生で永遠の誓いを交わせば
あなたが生まれ変わってもぼくを
無為にさがしてしまうのではないかと怖かった
幸せになりなさい
ぼくのいない命のままで幸福に
生きられるとあなたが言うのなら
倦むことなく 幸せになりなさい