同じ果実

 

誰もがそれを隠しているけれど
誰もがそれを持つことを知っている
それがふと露わになったとき
ぼくたちはゆるしあい笑いあう

君もぼくと同じように
はりさけそうに膨らむんだね
そしてぼくと同じように
春の光の中 滴らせるんだ

恥ずかしいから誰にも言えなかったこと
君にならすぐに言えるよ
君がぼくに見せてくれたんだ
男なら誰もが同じだって

ぼくは自分の果実を触るんだ
触らないで3日間も経てば
あふれ出しそうで幸福なんだ
君に寄りかかりたくなるんだ

君も自分の果実を触るんだね
密かに光の部屋の中で
動物みたいな顔をして
誰にも見せられない夢見る肢体

まだ誰も触ったことのないそれを
ぼくがはじめて触れたとき
君は嬉しそうに動かした
まるで幸福を伝えるみたいに

まだ誰も触ったことのないそれを
君がはじめて触ったとき
ぼくはひとり光の中で
すぐに終わりを告げていたよ

 

 

 

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