命の正体
崩れ去るまともさに 弔いの花を添えよう なにひとつ知ることのなかった 一生の記憶を捨てよう 正常をまとわない炎は時を超え 命を超えて燃え盛り続ける かけがえのない不動明王の姿を ぼくは自らの根源に感じる あ…
崩れ去るまともさに 弔いの花を添えよう なにひとつ知ることのなかった 一生の記憶を捨てよう 正常をまとわない炎は時を超え 命を超えて燃え盛り続ける かけがえのない不動明王の姿を ぼくは自らの根源に感じる あ…
あらゆる痛みを受け止めた器が あの世とこの世に散らばって消える あれはぼくたちを映す鏡 存在は砕けて自我は流れる どのように痛みから逃れよう 苦しみの海に溺れた精神は時を超え 痛みを自ら愛する気持ちを見る …
青い衣の揺れが 風の姿を示す けっして見ることのできない鏡を 魔法のようにぼくに見せる 青い衣の影が 光の在り処を伝える 光の中では見つからなかった 光の中の光をぼくに問う 青色の衣をひとつまとって 旅立つ…
悲しいことを思い出さずにいられるのは あなたが自分を匿っているから 思い出させてあげよう 今までの悲しみを余すことなく 自分の罪を思い出さずにいられるのは あなたが自分をこの世で生かすため 思い出させてあげ…
青い液体はつくられる まるで永遠をともなうように そしてぼくたちは誤る 若さも青い永遠をまとっているのだと どれほどに放っても とめどなく生まれ出づる青い液体 何度終わっても 潤いを繰り返す甘い果実 君は知…
ぼくの話す声がある ぼくの笑う声がある ぼくの歌う声がある そのどれとも違う声を君は聞く 君のささやく声がある 君の尋ねる声がある 君の告げる声がある そのどれとも異なる声をぼくは聞く 果実をそっと触られた…
君は問う ぼくは問われる わかりきった果実の名を そしてふたりはよろこび合う わかりきったことを聞かれて わかりきったことを口にすることが 魔法のようにぼくを 衣をはがすよりも裸体にする ぼくだけが裸になっ…
北の大地を照らす薄暗い光も 碧い王国に照りつける黄色い光も どれもみな同じ恒星からの光 ひとつも違(たが)わずに等しい光 北の大地に寄りかかる灰色の海も 南の島々を取り囲む宝石の海も どれもみなつながり合う…
雪の降る音をわすれていました はるか彼方の碧い国に住んでいたから すべての分子が動くのをやめ 時が氷の中へと帰りゆきます ふたつの果実を白い雪がつつみ 永久の眠りについたころ やがて訪れる春の光だけをたより…
風の姿に手をのばせば そこは風の始まり 始発の列車に乗り込んで 新しい景色が始まっていく 走り始めた理由を 誰もが知らないのに止められない 真空の銀河を駆けるように 迷いのないまなざしが線路をよぎる &nb…