君の方法
強く握られると 少しだけ痛かった 優しく撫でられると 声を止められなかった そんなところを撫でられると 気持ちいいことをはじめて知った 君もひとりの時にそうして 自分の果実を触るんだね 自分で触ることと 君…
強く握られると 少しだけ痛かった 優しく撫でられると 声を止められなかった そんなところを撫でられると 気持ちいいことをはじめて知った 君もひとりの時にそうして 自分の果実を触るんだね 自分で触ることと 君…
真理の果実は人からもらっても その手の中で腐って落ちるだけ 自らの真理の果実を持たなければならない 他人の果実を決して持ってはならない 自らの樹木で 自らの土から 自らの水で 自らの光で 力の限り生き抜いた…
布ひとつの下に 君の果実が隠されている 熱く固く震えることで 見えるよりもその存在を示している 見えるなんてくだらないよ 見えないままで感じたいんだ その熱さで その固さで その動きで そのにおいで 見える…
なぜ隠し合うのかを ぼくたちは知っている 誰もが存在することを知りながら 誰もが存在しないフリをする 動物的であってはならない “人間的でなければならない” 野性的であってはならない “理性的でなければなら…
君に触れられると 自然と脈打つぼくの果実 先端へと広がる快楽の波が 青い液体へと導かれるよ ぼくの果実の名前を 君はいつも聞いた ぼくが答えられないと 君は嬉しそうに触った こんなにも自然に 熱くなることを…
存在するだけで影を作り出し 誰かに涼しみを与える 揺れる木の葉とその音が 心へと風を通り抜けさせる 揺れる木の葉の影を見れば 風の姿を教えられる 見えるはずもないものを見て ぼくたちはもうひとつの目を持つ …
貧しくなりたい 愚かになりたい 何もかもを失くした 魂の放浪者になりたい 青色の衣ひとつを ただ持つだけの人になり その布の揺らぎさえ いつかは失う定めであるよ ああ美しい光よ 持っていた頃には かすかにし…
誰もがそれを隠しているけれど 誰もがそれを持つことを知っている それがふと露わになったとき ぼくたちはゆるしあい笑いあう 君もぼくと同じように はりさけそうに膨らむんだね そしてぼくと同じように 春の光の中…
祈るしかなかったもの すがるしかなかったもの 悲しみの果てに集い合え どうしようもなく 神々の多く宿る町を ぼくは愛する 悲しみの果てにしか見えぬ景色を 彼らは見ている どうしようもなく 与えられる定めに …
人の祈りは儚い 土の近くにあるささやかな祈りほど 人や獣に踏みつけられて終わるのだろう けれども人は 朝になればまた祈りの花を置く いつまでも、いつまでも花を置く …