真理の液体
なにひとつ手放すことがないように この世で最も美しい衣をあげよう 過去と未来を揺らぐ光の絹の波 欠けてゆくことは幻だと告げよう 過去の言葉たちの中は 宝物であふれている いずれもぼくが生み出した言葉 他人の…
なにひとつ手放すことがないように この世で最も美しい衣をあげよう 過去と未来を揺らぐ光の絹の波 欠けてゆくことは幻だと告げよう 過去の言葉たちの中は 宝物であふれている いずれもぼくが生み出した言葉 他人の…
旅立ちました あなたの知らない時刻に 旅立ちました あなたの知らない国へと 別れなど言えないのは もういちどどこかで 必ず出会うことを 心のどこかで知っているから 変わり果てても見つけてね 遠く隔たってしま…
向こうに見えるのはロシヤだらうか どこからどこまでロシヤだらうか なにからなにまでロシヤだらうか 果てから果てまでロシヤだらうか 厚い外套を脱ぎ捨てたその先に わたしとロシヤの近隣があった 外套といふ一枚の…
ひとつひとつは小さな謎 小さな謎が世界中に散らばる けれどすべては繋がっている 小さな謎も繋がってゆく 小さな謎は繋がり合い 偉大なひとつとなるのではなく 連なり合い重なり合い 広い秘密の世界を紡ぐ 海のよ…
ロシヤの冬は寒いだらうか ひとつの軌道を抱きしめて どこまでも広がる雪原に 消え果ててしまいはしないだらうか なぜこの足は赴くのだらう 碧い王国しか知らないこの精神を まるで落とした冬を拾わせるようにして …
自分自身の昔の言葉が あまりに美しく胸に響くから まるで誰か知らない人が 書いた言葉に思われる夜 嘆かなくていい うつむかなくていい いつしかこのぼくの心も 過去へと流れ込むだろう 過去とは美しいイマの別名…
すべての創造物は 大いなるものの啓示 どこまでも深遠なる思いが この腕にまとわりついて離れない すべての生命は 大いなるものの化身 とめどなくあふれる青い熱に うなされながら悟りは開くよ 人間だけが言葉を持…
なにも与えられなくても 与えていたときのことを 思い出しなさい 光の中で なにかを与えられなければ 与えることをやめてしまった 悲しい姿を思い知りなさい 緑の鏡面で ただ与えていたときには 言葉は美しい詩を…
行き場をなくした魂たちが 今日もどこかですれ違う 美しい言葉に乗せられて 天空へとのぼってゆく姿が見える またどこかで出会えるだろうか 問いかける先はむなしい空ばかり どうしてここで出会えたのだろうか あて…
わたしのこころに鬱滞する灰白は まさにあの日の海のいろ このこころに住み着いてしまった海は ロシヤへと砕けて消える なぜこのようなところにいるのだろう わたしの言葉は問いを反芻すれど 思い出す…