Given
ぼくに幸福が訪れるのは 与えられたときではなかった ぼくが生まれた意味を知るのは 愛されたときではなかった それはまさに与えるとき 与えられたように幸福を呼び醒す 天へ向かって与えるときに 授けられたように…
水色の詩集ぼくに幸福が訪れるのは 与えられたときではなかった ぼくが生まれた意味を知るのは 愛されたときではなかった それはまさに与えるとき 与えられたように幸福を呼び醒す 天へ向かって与えるときに 授けられたように…
水色の詩集与えられることだけが ぼくの生きてゆく習いだった 生かされたことだけが ぼくのたったひとつの償い どうかゆるしてください 与えうる何もないこと どうかわかってください 生かしうるすべもないこと 申し訳なさそ…
水色の詩集たくさんあるものの中から どうしてしてそれを選ぶのだろう 自分自身のことなのに なにひとつ説明できない たとえ巡り会っても交わし合う言葉もなく ただ通り過ぎるだけの人もいるね たとえ巡り合っても比べ合って …
水色の詩集旅人たちの間で 挨拶のように交わされる言葉 異国を旅する者ならば 必ず聞かれるこの言葉 ウェア・アー・ユー・フロム? ウェア・アー・ユー・フロム? わたしがどこから来たかというのは わたしがいちばん知りたい…
水色の詩集わたしがわたしでなかった頃を この鉄道は呼び醒ます あなたがあなたでなくなる日を 真空の胎内に宿してゆく 肉体が生まれたこと 精神が生まれたこと 心が生まれたこと どれを境いになにを帰す 心が滅びること 精…
水色の詩集あなたは確かにわたしを知っていた どことも知れぬ軌道の彼方に わたしの涙を確かに見ていた わたしは今証しを指し示す わたしは確かにあなたを感じてた 永遠をゆく旅路のどこかに けれど転轍が忘却を助けた あなた…
水色の詩集よく見ると水は わたしが思っていたのと 違う方向へ 流れていました わたしは水の流れに逆らって 歩いていたはずだったのに ふと気がつけばわたしは 水と同じ方へ流れていました 逆行と思えば順行していたわたしは…
水色の詩集何が濁っていて 何が澄んでいるのか わたしたちには 何も見えていない 何が毒をもたらし 何が愛を注ぐのか わたしたちは 間違えてばかり 果てしなく深いふるえ 果てしなく透明な瞳 シベリアの真ん中で その姿は…
水色の詩集軌道よ 軌道よ 運命の軌道 おまえがどこへ行くか知っているならば 人は生きては行かぬだろう 外された軌道 遺された軌道 廃れた軌道 荒野に浮かぶ軌道 あてもなく敷かれた軌道の上を 今日も列車は運んでゆく 行…
水色の詩集シベリア鉄道は母胎への回帰道 どこまでも閉ざされた真空の中を 心地のよい暖かさにくるまれながら ゆらゆらと慣性力のままに傾く 時おり訪れる対向の車窓の光 時おり流れくる冷たい風と粉雪 時おり止まる駅における…