光の中の光

 

青い衣の揺れが
風の姿を示す
けっして見ることのできない鏡を
魔法のようにぼくに見せる

青い衣の影が
光の在り処を伝える
光の中では見つからなかった
光の中の光をぼくに問う

青色の衣をひとつまとって
旅立つぼくは光の中で
他になにひとつ持たなくても
必要ないと風は告げる

青い衣の輪郭が
ぼくの果実の形を囁く
この目で見えるよりもはるか
大いなる瞳に果実は映る

光の中の感覚を忘れない
衣を隔てた思いを忘れない
ぼくがひとりに帰りついても
青色の衣からの熱を忘れない

 

 

 

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