未来と過去の囚人
人間たちが自らの密かな残酷さを 目の当たりにするために集う 荒野の先にあるのはさらなる残酷か あるいは平和という名の幻影への居直りか 人間が残酷でなかった時代など どこにあったというのだろう …
人間たちが自らの密かな残酷さを 目の当たりにするために集う 荒野の先にあるのはさらなる残酷か あるいは平和という名の幻影への居直りか 人間が残酷でなかった時代など どこにあったというのだろう …
旅立つことをおそれないで すぐにまた帰ってこられる 人は帰りつかずにはいられないもの どんなに明日が来なくなっても なにもかもを失くしても すぐにまた満ちる日が来る 喪失の中にある出離を ため…
炎の揺らぎに形はない どこまでが先の炎で どこまでが後の炎か 見境もなく震え燃え盛る ぼくたちの存在も 移ろいでは流転する点滅の灯火 なにひとつ同じものを 持たないままに駆け抜ける道 この一生…
青い液体が 大地に滴り落ちて消える ぼくたちはどうして とめどなくあふれ来るものを担うの 赤い宮殿から その欠片が壊れて染まる わたしたちはなぜ 過去からの定めを受け継ぐ ぼくたちは わたしたちは こわくて…
欧州で最も古い石橋の上で 人々はPragueの街並みに夢中になる ぼくは込み合った群衆を退いて 川のほとりからカレル橋を眺める 橋の姿は橋の中から見えはしない まさにそのようにして 橋にたたず…
さまよい果ててたどり着くのは 色彩の薄れたリガの街並み 消え果てた東洋の瞳の欠片たち ぼくは孤独な異国の人になる どこから来たのですか どこへ行くのですか 尋ねられる言葉もない ぼくはまさしく…
祈りなど届かない そのように打ちひしがれた心が この世界には後を絶たない 枯れ果てた生命が土へと帰る 願いなど叶わない そのように諦め果てた思いが 人の心を喪失させて 砂のような人間を生み出す…
黄金に輝く夜の姿も 赤色に染まる夕暮れ時も どちらも変わらぬおまえの姿 たかが時間による遥かなる異なり 通りすがりに見間違うだろう 別の人かと誤るだろう どちらも見知らぬおまえの姿 同じ顔でそ…
旅人は遡上する 運命と時の流れを すべからく逆行する まるで全てに逆らうように 大人たちはあざ笑う 遡る魂たちを どうせ老い朽ち病み死んで 海へと流される肉体であるのにと 旅人の魂は生まれたて…
ぼくと君で不思議な遊びをしよう 誰もたどり着けない森の奥深くで 誰にも見えないように魔法をかけて 正方形の聖域の中で秘密の笛を吹く 大切なことをするときはいつも ぼくたちは衣を取り去る 裸体よ…