詩的な光について

 

 

詩的な光をさがしている
それ以外は何もいらない
たとえこの肉体が滅び去っても
詩的な光が残るだろう

南仏の春の淡い光
プラハの朝の遠い光
台南の夏の黄の光
ビルマの夕暮れの紫の光

名を残して何になろう
富を残して何になろう
栄光を残して何になろう
物を残して何になろう

すべてはこの世から消え去るもの
遠からず悉く滅ぼされるもの
まさにそのようなものにしがみついて
生きるために与えられた命か

永遠の居場所をさがしだせ
ありもしないことと確かにあることの真ん中にある
たどり着き得ぬ聖域を導き出せ
その精神とその肉体で

あなたに付随するその腕だけが
天へと繋がる鍵を指し示す
ゆめゆめ怠ることなかれ
生きるというあらゆる瞬間で

燃え尽きまた生まれ直せ
無限の転轍を繰り返し
やがてたどり着く底知れぬ軌道
白銀のシベリアさえ通り越す道

 

 

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