青い液体・赤い宮殿

 

青い液体が
大地に滴り落ちて消える
ぼくたちはどうして
とめどなくあふれ来るものを担うの

赤い宮殿から
その欠片が壊れて染まる
わたしたちはなぜ
過去からの定めを受け継ぐ

ぼくたちは
わたしたちは
こわくて仕方がない
次第に終わり行く透明な時代

青く染められて
赤く彩られて
支配され突き動かされる
恋だと春らしく歌いながら

ほんとうは
青い液体なんていらない
放たれる不思議な快楽も
むなしく散りゆく花のように

ほんとうは
赤い宮殿なんて捨てたい
訪れる苦悩と幸福の像をたてまつり
受容器となり通り過ぎよう

大切な大切な人と手をつなぐ日々は終わり
正体の知れぬ慾望に変わる
動物のように言葉をなくして
絡まり合うことでしか生きられなくなる

透明な日々を返してよ
澄明な明日をさがしてよ
ぼくたちはわたしたちは
こんなもののために生まれてきたんじゃない

今日もまた支配される
青く冷たい美しい日々

ぼくたちは
わたしたちは
ぼくたちは
わたしたちは

こわくて仕方がない

ぼくたちは
わたしたちは
ぼくたちは
わたしたちは

こんなもののために生まれたんじゃない

 

 

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