水色はいつの日も淡く儚い
あまりに澄んだ現し身が穢されるのを待ってしまう
はじめからくすんで醜い魂だったなら
時の流れや世の中に怯えることなどなかったのに
特別に美しいからこそ天に祈っていた
唯一透明だからこそ結界を作り出した
何物も寄せ付けない聖域に護られて
凍りついた硝子の城の中で眠っている
永遠という衣を身にまとった少年は
やがて人間に出会えるだろうか
誰もたどり着けない根源に生きながら
愛とは何かを見届けるだろうか
おそれてはいけない
老いること 病むこと 死ぬこと
嘆いてはいけない
この世で最も美しい色が褪せていくこと
憧れたのはネイビーの夜の帳(とばり)
すべてをなかったことにしてしまう深く濃い青
美しいことも醜いことも同じ夢の中で
やがてはぼくと世界の境すら見失う