天の告げ(2017.08.31)

 

きちんと愛されていたのに
どうして不良品になったの
欠乏しているものなんてないと
天が教えてくれるけれど

人間たちが語り出す
欠けているものがどこかにあると
些細な言葉が傷つける
指さすものが近くにあると

小さな言葉たちを
見ないふりをして生きれば
大地は偉大で
大いなる海へとけて

なにひとつ 悲しい命なんてないけれど

ときどき孤独になる
それはとても人間のようで
人間ではなくなったぼくは
少しだけ安心する

孤独のにおいを淡く感じて
さみしさの青の中を泳ぐわ
欠けろ欠けろとけしかける世に
ゆるされないと天は告ぐ

 

 

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