きちんと愛されていたのに
どうして不良品になったの
欠乏しているものなんてないと
天が教えてくれるけれど
人間たちが語り出す
欠けているものがどこかにあると
些細な言葉が傷つける
指さすものが近くにあると
小さな言葉たちを
見ないふりをして生きれば
大地は偉大で
大いなる海へとけて
なにひとつ 悲しい命なんてないけれど
ときどき孤独になる
それはとても人間のようで
人間ではなくなったぼくは
少しだけ安心する
孤独のにおいを淡く感じて
さみしさの青の中を泳ぐわ
欠けろ欠けろとけしかける世に
ゆるされないと天は告ぐ