声と果実
ぼくの話す声がある ぼくの笑う声がある ぼくの歌う声がある そのどれとも違う声を君は聞く 君のささやく声がある 君の尋ねる声がある 君の告げる声がある そのどれとも異なる声をぼくは聞く 果実をそっと触られた…
水色の詩集ぼくの話す声がある ぼくの笑う声がある ぼくの歌う声がある そのどれとも違う声を君は聞く 君のささやく声がある 君の尋ねる声がある 君の告げる声がある そのどれとも異なる声をぼくは聞く 果実をそっと触られた…
水色の詩集君は問う ぼくは問われる わかりきった果実の名を そしてふたりはよろこび合う わかりきったことを聞かれて わかりきったことを口にすることが 魔法のようにぼくを 衣をはがすよりも裸体にする ぼくだけが裸になっ…
水色の詩集ぼくの果実を優しく包んで 君の生み出したあたたかい温度で ぼくの果実は逃げられなくなる それは君の体温しか知らない 自らですら生きる熱を 確かに持っているはずなのに 他の体温に触れられただけで その人をさが…
水色の詩集わかりあえる人ならば 一生にひとりいれば十分だ 触りあえる果実なら この世にひとつあれば幸福だ 君の果実の色しか知らない そのままで人生を終えたい ぼくの果実の熱しか知らない そのままの君と眠りたい すれ違…
水色の詩集果実を触っているのに 何も感じないなんて不思議だ 今までは果実を触ればば必ず ぼくは感じていたはずなのに ぼくはぼくの果実しか 触ったことがなかったから 果実を触れば必ず ぼくは快楽を感じてい…
水色の詩集どれくらい自分の果実で 遊ぶのと君は尋ねた ぼくは恥ずかしくなって すぐに君から顔を隠した 俺は毎日だと 告白した君の笑顔 まだ誰も触れていない果実を 君は毎日触るんだね ぼくも毎日だよと 君…
水色の詩集ふたりにしか入ることのできない 秘密の鍵をねえ 他の誰にも渡さないでね 春の光そそがれる秘密の楽園に ねえ他の誰も 道を教えないでね 君をひとりじめしたいんじゃなくて この楽園を おかしな色で染めたくないん…
水色の詩集ぼくたちだけの秘密 誰にも知られてはいけない それなのに幸福は 光の部屋の中で起こされた 触りあう果実が どちらもとけそうになって 少しでも強く握れば 砕けて落ちてしまいそう 君が誰にも見せない 果実の形を…
水色の詩集強く握られると 少しだけ痛かった 優しく撫でられると 声を止められなかった そんなところを撫でられると 気持ちいいことをはじめて知った 君もひとりの時にそうして 自分の果実を触るんだね 自分で触ることと 君…
水色の詩集真理の果実は人からもらっても その手の中で腐って落ちるだけ 自らの真理の果実を持たなければならない 他人の果実を決して持ってはならない 自らの樹木で 自らの土から 自らの水で 自らの光で 力の限り生き抜いた…