ひとつの果実 2018年10月9日2019年3月28日 ツイート シェア はてブ 送る Pocket わかりあえる人ならば 一生にひとりいれば十分だ 触りあえる果実なら この世にひとつあれば幸福だ 君の果実の色しか知らない そのままで人生を終えたい ぼくの果実の熱しか知らない そのままの君と眠りたい すれ違う人々 みんな透明みたいだ すべてが心を持っているのに まるで抜け殻みたいだ どんな果実を触っても ぼくの手をすり抜けてしまうだろう 君の果実でなければ それを存在だと認めないように 君の果実の色を 君の果実の熱を 君の果実の鼓動を 抱きしめながら眠りについた