ひとつの果実

 

わかりあえる人ならば
一生にひとりいれば十分だ
触りあえる果実なら
この世にひとつあれば幸福だ

君の果実の色しか知らない
そのままで人生を終えたい
ぼくの果実の熱しか知らない
そのままの君と眠りたい

すれ違う人々
みんな透明みたいだ
すべてが心を持っているのに
まるで抜け殻みたいだ

どんな果実を触っても
ぼくの手をすり抜けてしまうだろう
君の果実でなければ
それを存在だと認めないように

君の果実の色を
君の果実の熱を
君の果実の鼓動を
抱きしめながら眠りについた

 

 

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