どうしてそんなに
先端をさわるの
先端に触れるとぼくの声が
ふるえることを君は知ってる
それでも時には
先端を避けるの
避ければ避けた分だけ
先端が喜ぶことを知っている
ぼくの果実は動くのをやめない
君の手の中でもがき続ける
君はそれを確かに感じながら
どうして動くのかを尋ねるの
ゆるされない場所を
おそるおそる触れあうような恋
それはまるでぼくたちが
秘密の先端を触れ合うように
先端を合わせることで
本当に欲しいのはその先の出来事
ぼくがまるで動物のように
野性の液体をしたたらせる姿
ぼくたちが可能な限り触れられるのは
ぼくたちの果実の先端
それ以上を触りたくても
ぼくたちは肉体しかさわれない
肉体に触れ合うことで
精神への飛翔を促している
それでもたまに触れないことで
精神の果実は濡れてゆく
本当に欲しいものは
先端ではないのに
ぼくたちは先端をさぐり合う
ぼくたちの肉体の最果て
最果ての岸辺から飛び降りよう
まるで人間を終わるように
まるで命を終わるように
そして森へと帰るように