あんなに通った海までの道を
どんなに巡っても思い出せない
もう二度と辿り着けないのかもしれない
今と昔は同じではないことを知る
踏み固められた獣道もやがて
生い茂った草と枝に埋もれて
けれど水色の直感が覚えていた
海へと下る阿檀のトンネルを
このようにして呼び合うことができる
運命ならば人も海もかならず
時を超えても引き離されることなく
またきっと巡り会うことをゆるされる
海とぼくと島しか知らない秘密
無垢で純粋な少年の果実と
海へと滴り落ちる青い液体
珊瑚の上で眠った永遠の裸体
何度島へと滴り落ちたのだろう
数えきれないほどに果てて眠った日々
若くて美しい肉体はおそれを知らずに
ただ天を突くように青い波をほとばしらせた
