夏の楽園

 

 

春が訪れれば分かるでしょう
ぼくたちの青い液体の意味に
冬の間は停滞し眠るでしょう
やがて来る解き放つ瞬間を夢見て

無限に生み出されるからとて
時には留まる季節もある
押し寄せる激流のような快楽は
静寂の死からやってくる本質

かけがえのない少年の涙が
やがて獣のにおいで満たされてゆくまで
ぼくたちは祈り続けよう
生きるたびに何も失くしてはならないと

たとえこの心を支配され
果実に触れることしか考えなくなっても
ぼくたちは叫び続けよう
こんなもののために生まれてきたんじゃないと

夏になれば濃厚になる青色は
ぼくの遺伝子が運ぶ南の島の海のいろ
見たこともないのに思い出されるよ
裸体を光に預けた透明な根の楽園

 

 

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