愛は島より抜け出して
愛は島へと帰ります
ひとつずつ ひとつずつ
愛ではなかったものを脱ぎ捨てて
恵みであるように見せかけて
見返りの種だったこともあった
愛しさのように見せかけて
寂しさの欲だったこともあった
生まれたての魂は
この世を何ひとつ信じていないから
ひとつずつ ひとつずつ
信じるに値するものをさがし出す
魂は島より抜け出して
やがて島へと帰りゆく
どこから来てどこへ行くのか
誰も答えられないから生きる価値がある
幾重にも連なる波の向こうに
あらゆる魂の故郷が眠っている
天の根が聳え立つ彼方の島で
ぼくの思いは永遠に移り変わらない