あなただけがぼくの果実を知っている

 

 

ぼくは自分をおかしいと思っていた
だから誰にも果実の話をしなかった
恥ずかしくて おそろしくて
ぼくの果実は他の少年のものとは異なることを知っていた

あなたはいつも果実の話をしていた
それは他の少年たちもみんな同じことだった
若い肉体は果実のことしか考えられずに
青い液体を注ぎ込むために生きているのだと燃えていた

果実は少年たちの明らかな秘密だった
にもかかわらずその秘密は誰もに暴かれていた
野性の果実を持っている限りぼくたちは
同じ熱さを持ち 同じ液体を解き放ち 同じ快楽を享受した

誰もが同じことならば隠すことに意味はない
少年たちはぼくが果実について話したがらないことを
疑わしく思った 訝しく思った
どうせ同じ果実を同じように弄んでいるくせにと

あなたと出会ったことから全ては始まった
ぼくたちは好きだと言葉を交わし合った
ぼくたちはキスをして強く抱きしめ合った
同じ青い液体を生み続けていたとしても

あなたの熱い果実にぼくが初めて触れた
ぼくの濡れた果実をあなたが初めて慈しんだ
ぼくにもあの少年たちのように同じ果実があることを
この世で初めてあなたが確かめた

ぼくの果実は他の少年と何もかもが同じだった
だからあなたはいつもあなたの果実を触るようにして
ぼくの果実を優しく包み込んだ
ぼくの果実はあなたの果実になった

あなたに撫でられて初めて果実の名前を呼んだ
あなたの腕の中で果実で遊ぶことを告白した
あなたの手の中でいつまでも果実は震えていた
それはぼくたちしか知らない2人だけの秘密だった

あなたはぼくの青い衣を脱がせて
ぼくが他の少年と変わらないことを明かした
けれどぼくが同じ果実を持っていることを
誰にも言わないであなたは秘密にしてくれた

ぼくが青い衣の下に果実を隠し持っていることを
知っているのはこの世でただあなただけ
ぼくの果実から日々青い液体が滴り落ちることを
見抜いているのはあなたとぼくの2人だけ

少年ならば誰もが持っている秘密の果実
ぼくも同じことだと世界は知った顔をするけれど
言葉ではなく果実の真実を刻み込んだ
あなたの肉体をいつまでも忘れない

 

 

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