電車に轢かれて死んでゆく
あなたの姿を見た
あれはぼくのことだったのかもしれない
なぜかそう思われてならない
迷いもなく死んでゆく
あなたの姿を見た
本当はぼくが死ぬはずだったんだと
意味のない確信は高まる
どうして死んでしまったのと
責めることはぼくにはできない
死にたいほどに冷たい孤独は
この世にいくらでもあるねと憂うだけ
本当は死んだはずの命が
この世で生きているのだから
ぼくはこの世にいない人
誰にも見えない彷徨える幻影
どうせ砕け散ると決められた生命だから
急ぐことはないのだと生きて歌おう
ないのも同じだと覚悟した魂には
死ぬことを恐れない炎が舞う