この世界に生まれついたとき
ぼくたちは透明だったのだろうか
根源から誰かの声がする
それはただ優しく歌いかける
支配されてなるものか
血の上流たちに逆らいもした
脅かされてなるものか
広がりゆく清流を憎みもした
ふたつが重なり合わなければ
ひとつが生まれないというのなら
たったひとりだけで生み出そうと
悲しいほどに心を孤独にした
結局なにひとつ手に入らず
結局なにひとつ知ることもせず
迷いに迷った挙句に聞く
その歌はぼくの根源だった
ずっと歌いかけていたのに
生きることに必死で気づかずに
何もかもを手放すことで
やっと鏡面が姿をあらわす
機械たちと光たちが
複雑に絡み合う糸をほどいて
導かれるように帰りつくのは
ただひとつ森の道を流れる清ら水
海のはるか向こうに祖国があると
燃え盛る炎に従って旅に出た
異国の果てにたどり着いた祖国の歌を
知っているぼくはずっと昔から