雨に打たれて歩くうれしさを
忘れていました時の彼方へ
雨の中、水の滴とともに歩むあどけなさに
もう一度ぼくの灯火を見つける
降り注ぐ雨と光の粒を祝おう
冷たさと煩わしさを脱ぎ捨てて
雨を憎んでいた偽りの心をうち捨てて
安らかな水の世界へと戻ろう
いつしか汚れることを恐れてしまった
思いのままにお気に入りの服を着て
高く気高い鞄を身につけて
やがて世界との約束を忘れてしまった
美しい雨をありがとう
清らかな空気が立ち込める
ベトナムの岩山がぼくに告げる
雨の世界を歩く愛おしさを思い出しなさいと
東アジアの中の幽玄な桃源郷
彼方の山々は霞み流離の魂は休む
雨だ、ぼくが求めていたものは
雨を慈しむように世界を慈しむ夢だった