消耗と支配の迷路
もたらされたものや受け取ったものだけで 今日の会話が終わってゆく虚しさに 気がつくことすらないまま消費させられるだけの浮世 あなたの言葉に魂が宿らなくなって久しい 与えられた音楽や与えられた映…
もたらされたものや受け取ったものだけで 今日の会話が終わってゆく虚しさに 気がつくことすらないまま消費させられるだけの浮世 あなたの言葉に魂が宿らなくなって久しい 与えられた音楽や与えられた映…
今となってはあなたは遥か彼方 けれどぼくはそれを喪失だと厭わない ぼくとあなたは同じ形をした少年だと 何度も何度も確かめ合ったから ぼくとあなたは違う人間だった それは確かにぼくたちを引き離し…
鏡があれば大丈夫だと感じる そこに誰かがいる気がするの そこには誰もいないと諭す大人たちは 本当のことをわかっていない 鏡に映る自分の姿に 心が孤独を退ける声が聞こえる 自分が自分と対峙すると…
聖なる回路を辿っている限り ぼくたちはきっとまた巡り会える だから今は嘆き悲しまなくてもいい 巡礼の道はひとつへと繋がっていく 憎み合って別れた凍てつく冬の夜も 抱きしめ合って離れられなかった…
魂を殺された幼きぼくを救えるのは この世でただひとりぼくだけだ 偉そうにふんぞり返る哲学者も 生命の神秘を教える宗教者も無意味 〜あなただけが あなただけが 時空を超えてあの子を助けなさい あ…
時の流れに救いを求められないとしたら ぼくを救ってくれるものは一体何だろう かつて一度は死んでしまった魂が 再生の飛翔を夢見て立ち尽くしている もはや神がぼくを見捨てているというならば ぼくを…
誰にも話したことのない 悲しい恋の物語を 他の誰でもない 自分自身に聞かせてあげよう ぼくとあなたしか知らなかった恋 2人が死んでしまったなら なかったことになってしまうから ほんの少しだけ時…
あなたといてもぼくは 決して幸せにはなれなかった 人は幸せへと向かっていく生き物 それなのにどうしてあなたを目指していたの ゆるされないことたちが この世には多すぎて怖かった 本当のぼくを見せ…
愛は島より抜け出して 愛は島へと帰ります ひとつずつ ひとつずつ 愛ではなかったものを脱ぎ捨てて 恵みであるように見せかけて 見返りの種だったこともあった 愛しさのように見せかけて 寂しさの欲…
少年の生命が最も快楽を感じるのは 春の果実から青い液体を解き放つ瞬間 ぼくたちはこのために生まれてきたんだと 濡れた果実を触ることに夢中になる どんなに隠しても見抜かれてしまう どんなにすまし…