時を超える愛

10年経っても忘れられない愛は
ぼくに本当のことを教えてくれる
時の流れなんてこの世にありはしない
ぼくの最も美しい宝石に時は流れない

あらゆるものが移り変わる様子を見て
ぼくたちは時が流れたのだと勘違いする
けれど根源に貫かれた愛は輝きを変えない
それどころか純度と深さを増すばかり

どうでもいいものはことごとく消えゆくのに
本当に滅んでほしい愛は決して滅びない
それならば受け入れることでしか前に進めない
時を超越した愛がこの世にはあると

10年経っても同じように好きだと誓える
10年経っても同じ孤独と悲しみがぼくを支配した
あの頃の涙が今のぼくの瞳に乗り移り
心に宿る思いの熱さは魂を焼き尽くした

ぼくはもう二度と時計をつけないだろう
時の異国を旅する巡礼が今はじまる
変わりゆく肉体と心をおそれることはない
根源に愛がある限りぼくたちは何度でも巡り会う

ノンケの彼がゲイのぼくと恋愛しても何ひとつメリットなんてないから、彼の「好き」という言葉を尊いと感じた